Archives : 11月, 2011

乱歩彷徨

 

 風邪抜けてぼーと昨日の忘れ物

乱歩といえば江戸川乱歩。
彷徨は、ほうこうと読みます。
このごろ書店から注文の多い本ですが、
読み方を知らずに注文してくる場合が少なくありません。
電話に出たものがその度に、
「ほうこうと読みます」と告げることに。
『面白南極料理人』を出したときの、
笑うしかない苦い経験がありますから、
驚きませんが、
調べないんですかね。
ちょっと調べてから注文してくればいいのにと思いますが、
今はだれも忙しいから、
「乱歩なんちゃら」でごまかすのでしょう。
作家の有栖川有栖さんが書いてくださった書評が、
日本経済新聞に掲載されました。
乱歩の愛読者はもちろん、
これから乱歩を読んでみようかと考えている人も
読んでみたくなる、
書評らしいありがたい書評。
コチラです。

 夜半にはトイレの神も眠りをり

タカアシガニ

 

 恋しきは鮟鱇鍋とホッカイロ

月曜日、とくに午前中は体調が優れません。
ブルーマンデーという言葉もあるぐらいですから、
洋の東西を問わず、
月曜日は憂鬱なのかも知れません。
以前は、
こんなことではいけないと自らを奮い立たせ、
むりやりテンションを上げたものですが、
それもかえって体に悪そうで止めてしまいました。
今はただジッとしているだけ。
ひたすらジッとしています。
そうしていると、
自分が人間でなくカニになっていくような気がします。
水族館にいるタカアシガニのようなものです。
話しかけられれば別ですが、
こちらから話しかけることは滅多にありません。
低く呪文のように、
タカアシガニタカアシガニタカアシガニ…
昼食をとり午後三時ぐらいになると、
体の芯が発動してきます。
タカアシガニがやっと動き始めます。

 交差点ヒートテックの冬となり

夜の床屋

 

 冬の星親しき人の住処とぞ

一日中ゲラや本を読んで疲れてきましたから、
財布とケータイを持って外へ出ました。
このごろ通っているダンサブルな床屋へ。
すでに暗くなっていましたので、
いくら流行っている床屋でも大丈夫だろうと。
交差点でひょいと見上げると、
床屋の窓ガラスに人影はありません。
信号が青に変り、
小走りで渡って階段をとんとんとんと駆け上がります。
ドアをそっと開け恐る恐る見ると、
だ~れもいません。
「こんにちはー」と大声を出したら、
奥から床屋のご主人が現れました。
「どうぞ」
「一番短いのでお願いします」
「はい」
無駄口は一切きかず、
ダンサブルに刈っていきます。
顔を剃ってもらい、
そろそろ終りかと思ったころに、
一人また一人と客が入ってきました。
お代を払いドアを開け、そっと閉めると、
中から「どうぞ」「いつものように」「はい」
ダンサブルな床屋は夜も踊っています。

写真は、なるちゃん提供。

 寒空や尻に鍼打ち仰け反れり

ベストセラー第1位!

 

 誕生日注意したのに風邪引けり

つ、ついに!
春風社の新刊『乱歩彷徨(らんぽほうこう)』が
東京堂書店の今週のベストセラー第1位になりました。
著者は作家・評論家の紀田順一郎さんです。
ネットで見ると第3位ですが、
昨日電話で確認したところ確かに第1位だとのこと。
広告代理店に勤めている旧知の先輩が教えてくれました。
「今、東京堂にいるんだけど、
ひょいと見たら、
春風社の本が第1位だっていうからビックリしてさー。
なんかあったのかと思ったよ。
え。はははは…。わりーわりー。
だって、スティーブ・ジョブズより上だよ。
驚くよ誰だって。おめでとう」
たまーに会社に電話をしてきても名乗らず、
電話を取り次いだ者が
「三浦さん、男の人からです」と言えば、
だいたいその人からです。
いつもぶっきらぼうな物言いながら、
春風社の立ち上げからずっと応援してくれています。
もう一つ。
昨日税理士の先生が会社にみえられました。
決算の数字が整ったとのことで、
第十二期は第十一期と比較し、
ほぼ10%の売り上げ増であるとの知らせ。
これも有難いことでした。
さらに昨日は、
NPO法人ツブヤ大学とヨコハマ経済新聞とのコラボ企画
Book学科ヨコハマ講座 よこはま本への旅
の二回目。
本のからだ本のかお」の題で、
わたしが進行役となり矢萩多聞さんにインタヴューしました。
あっという間の二時間でした。
トークの模様は、
いま流行りのUstream(ユーストリーム)でも見れます。
多聞君と知り合った頃を思い出しながら、
楽しく聴きました。
聴きに来られた方たちも、
面白かったとつぶやきながら帰っていかれました。
いい一日でした。
十三期もがんばるぞー!!

写真は、まるちゃん提供。

 喉からの風邪に私もベンザかな

ああビックリした!

 

 飛び乗りて車中マスクに近寄らず

昨日、
渋谷の「サラヴァ東京」を会場に、
ことばのポトラックvol.6「東北を想う、東北を歌う」が開かれました。
佐々木幹郎さんが司会進行役となり、
谷川俊太郎さん、高橋睦郎さん、高橋竹山(二代目)さん、
特別ゲストとして御厨貴さんが登壇されました。
東日本大震災に関連した詩を持ち寄り(ポトラック)、
朗読してくださいましたが、
三人三様の詩がまさにお料理で、
意味はもちろん、声質、発声に驚き、
共振しながら楽しんで聴かせていただきました。
とくに佐々木幹郎さんは、
新作詩集『明日』のなかから、
拙著『父のふるさと秋田往来』に序詩として書いてくださった
「そんだらごど言ったって」を朗読してくださり、
ビックリしました。
恥ずかしいやら、嬉しいやら、有難いやらで、
ドキドキしながら聴いていました。
来年三月に、
ことばのポトラック七回分をまとめ、
『ことばのポトラック』として
春風社から刊行されることにも触れてくださり、
杜撰でデタラメな仕事や対応ぶりに
憤懣やるかたなかった今日この頃、
こころくばりの見事さにも感動しました。
第二部は高橋竹山(二代目)さん。
東京生まれの高橋さんが、
初代の三味線に惹かれ、
やってこられた道の険しさを思いました。
初代の音は方言と同じで、
風雪に叩かれた云わばふるさとの音であり、
二代目はそれを深く理解することから
始めなければならなかったでしょう。
演目が終り、
最後にお話されたあいさつのなかで、
土地土地の人の前で演奏できる、
聴いてもらえることがありがたいとおっしゃいました。
その「ありがたい」は、
ふつうの意味の感謝の言葉を超え、
まさに「有難い」とおっしゃっているのだなと、
合点がいきました。
奇麗と汚い、オープンなこころと偏屈が同居するふるさとを
改めて考えさせられる会でもありました。

 デタラメに破れし我に枯葉かな

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。