ああビックリした!

 

 飛び乗りて車中マスクに近寄らず

昨日、
渋谷の「サラヴァ東京」を会場に、
ことばのポトラックvol.6「東北を想う、東北を歌う」が開かれました。
佐々木幹郎さんが司会進行役となり、
谷川俊太郎さん、高橋睦郎さん、高橋竹山(二代目)さん、
特別ゲストとして御厨貴さんが登壇されました。
東日本大震災に関連した詩を持ち寄り(ポトラック)、
朗読してくださいましたが、
三人三様の詩がまさにお料理で、
意味はもちろん、声質、発声に驚き、
共振しながら楽しんで聴かせていただきました。
とくに佐々木幹郎さんは、
新作詩集『明日』のなかから、
拙著『父のふるさと秋田往来』に序詩として書いてくださった
「そんだらごど言ったって」を朗読してくださり、
ビックリしました。
恥ずかしいやら、嬉しいやら、有難いやらで、
ドキドキしながら聴いていました。
来年三月に、
ことばのポトラック七回分をまとめ、
『ことばのポトラック』として
春風社から刊行されることにも触れてくださり、
杜撰でデタラメな仕事や対応ぶりに
憤懣やるかたなかった今日この頃、
こころくばりの見事さにも感動しました。
第二部は高橋竹山(二代目)さん。
東京生まれの高橋さんが、
初代の三味線に惹かれ、
やってこられた道の険しさを思いました。
初代の音は方言と同じで、
風雪に叩かれた云わばふるさとの音であり、
二代目はそれを深く理解することから
始めなければならなかったでしょう。
演目が終り、
最後にお話されたあいさつのなかで、
土地土地の人の前で演奏できる、
聴いてもらえることがありがたいとおっしゃいました。
その「ありがたい」は、
ふつうの意味の感謝の言葉を超え、
まさに「有難い」とおっしゃっているのだなと、
合点がいきました。
奇麗と汚い、オープンなこころと偏屈が同居するふるさとを
改めて考えさせられる会でもありました。

 デタラメに破れし我に枯葉かな