古典への旅

 

 味薄き柿ごつごつと石のごと

わたしの家の机上、
パソコンのモニターとプリンターに挟まれて、
六冊の本が並んでいます。
いずれもインターネットを通じ古書店で求めたものです。
プリンター側から『国木田独歩 石川啄木集』『夜と霧』
『徒然草』『方丈記 発心集』『おくのほそ道』『論語』。
『国木田独歩 石川啄木集』は、
啄木よりも独歩を読みたくて買いました。
ところで啄木の啄には、
チョンと傷のような斜めの点が入らなければならないのに、
入力すると出ないのはなぜでしょう。
傷が無ければ啄木じゃないのに。
それはともかく。
日々暮らしていて、
どんなちっぽけなことでも、
こういうことかな、と自分なりに気づくことがあり、
そうすると、
言葉に置き換え、
人には言わなくても、
なんというか、
人生についてのちょっぴり発見の喜びに数時間、
数日浸ることがあります。
でも、
そのほとんど、全部かもしれません、
は、
先人がその都度気づき言葉にしてきたものの器、
物語に入ってしまいます。
あははと笑ってしまうばかり。
それでいいのでしょう。
今は、
人と自分の個性を大事にしつつ、
少しでも先人のこころと物語を味わいたい。
鎮魂の物語を。

 室温が二十度なれば毛布足し