本づくり体験

 

 秋の日や紙にインキの本となり

多聞くんが用意周到に準備をしてくれ、
また生徒さんたちも楽しそうに、
かつ集中して事にあたり、
二日目の五時半には四人とも
可愛い本が出来上がり拍手喝采!
と思いきや、
な、
なんと、
一人の生徒が選んだフォントが化けてしまい、
句読点の位置が行の右側でなく、
左側に付いているではありませんか!
(年ごとに体験学習のグレードをあげ、
よき体験をしていただくために、
今年は製本を糸かがりにし、
生徒一人ひとりの好みに合わせフォントも変えています)
結局、
句読点の位置を修正し、
一丁(二ページ)差し替えすることになりました。
実際の製本過程でミスが生じた場合とまったく同じ作業です。
差し替えページのノドの部分を四ミリほど残してカット、
修正したページと奇麗に糊付けします。
息を殺し、
空気が入らぬよう、
指でていねいにボンドを塗っていきます。
ボンドが乾くのを待ち、
重しを載せて落ち着かせます。
仕上がりを見、ホッと息を吐き、
一同一斉に拍手。
これぞまさに体験学習。
最後の一時間が子どもたちにどんな印象を残したか、
訊いてみたいところです。

 一人居てギボンローマの秋深し