景気は?!

 

 大寒や故郷看板大自慢

月に一度行く床屋さんに行ってきました。
「景気はどうですか?」
「まあまあ、ってとこですかね」
「そちらは?」
「まあまあ、ってとこですかね」
この四句が、だいたい挨拶がわりです。
聞けば、きのうは、朝七時から始めたのだとか。
予約制で、客の都合に合わせて店を開けます。
いちばん早いときなど、
朝四時半に開けたこともあるそうです。
パンチパーマをかけ、髪を染め、すべて終了したら、
夜がしらしらと明け始め、
やがて二人目の客がやってきた。
…てなことを聞いているうちに、
わたしの坊主頭は終ります。
「ありがとうございました。客が続くといいですね」
「いやぁ。たぶん今日はこれで終りでしょう」
御代を払い、京急井土ヶ谷駅近くにある菓子舗
「濱うさぎ」までぶらぶら歩き、
どら焼き二つと栗甘納豆を買って店を出、
来た道をまたぶらぶらと。
歩きながら、床屋の中をひょいと覗くと、
二脚ある椅子に客はなく、
ご主人の姿も見えませんでした。

 毛布巻き落語のこゑの刺さりけり

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