Archives : 1月, 2010

体験学習 2

 

 小さき本つくり愉しむ中二春

横浜女学院の生徒さんたちの職場体験も二日目となり、
いよいよ佳境に入りました。
多聞くんを中心に、十六頁の小さな本を作ります。
「私の好きな本」をテーマに
文章を書いてきてもらいましたが、
どの生徒さんも上手で驚きました。
肩の力が抜けた素直な文章ながら、
言葉えらびに工夫がみられ、味のある作品になっています。
また、例年、ソフトカバーの本をこしらえてきましたが、
多聞くんが事前準備に時間を費やし、今年はなんと、
フランス装の凝った本を作ることになり、
子どもたちもリラックスして作業に没頭していました。
さらに今年は、
神奈川新聞記者の宮島さん、
フリーライターの森さんが加わり、
二人も実際の本づくりを体験。
その模様がさっそく今日の神奈川新聞に掲載されます。
なにか、出版社、新聞社、教育現場の
新しい関係の始まりを予感させる二日間でした。
テーマは「私の好きな本」ですが、
それぞれのタイトルも、各人が考え、決めました。
好きな本の文中からえらび、エピグラフまで付いています。
金子さん、飯島さん、木村さん、劉さん、
お疲れ様でした。
おかげで、わたしたちも楽しい時間をすごすことができました。
ありがとうございました。

 うごうごと背アガゴゲグボ春近し

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費用対効果

 

 キーボード稿の秋田の冬終り

経済なり商売なりには、
費用対効果、ギブ・アンド・テイク、
ハイリスク・ハイリターンなどの言葉があります。
見返りを求める、見返りのことを考えるという
一つの尺度であり、
この世で生きていくためには、必要なことであり、
とても重要なことでもあります。
一方だけが得をし、他方が損をする関係は、
けして長続きしません。
しかし、馬鹿の一つ覚えみたいに、
人生のあらゆる局面に費用対効果のモノサシを
当てはめて考えるのは、どんなものでしょう。
女がキレイになるにはHも必要であるということを枕に、
結婚した場合のHと、ホテルでするHの費用対効果を計算(!)し、
結婚してのHのほうがコストパフォーマンスが高いから、
結婚も大事みたいな話を小耳に挟みましたが、
井戸端会議の話としてならいざ知らず、
まともな人の意見とは、とても思えません。
噴飯ものです。
そういうことを言ったり、
書いたりする人間には共通するところがあって、
まず、底意地が悪い。
劣等感が人一倍強い。
世の中に受け入れられないのは、自分が悪いのではなく、
世の中のほうが悪いからだと思う。
それでも、努力努力で這い上がろうとし、
劣悪な世の中をたくましく生きていこうとする。
費用対効果のモノサシを多用しない人間を
あからさまに敵対視する。
化粧でいくらキレイにしても、
眼が笑っておらず、醜く、表情が引きつっている。
おだてに乗りやすい。
以上は、わたしの偏見ですが、
費用対効果、コストパフォーマンスを
金科玉条のように掲げる人の心性、外見の共通項を、
わたしはそのように見、軽蔑しています。

 街灯のジリリと泣きし寒さかな

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体験学習

 

 冬一日(ひとひ)只管すする塩ラーメン

横浜女学院の中学二年生による体験学習の日が
やってまいりました。
ほんとうは、去年の十月に実施するはずだったのが、
インフルエンザの猛威により、
やむなく今回は中止。
との連絡を一旦はいただいたのですが、
生徒さんたちは楽しみにしているし、
先生たちも、
学校の授業とは別の教育的意義を感じているらしく、
年を越すことになるけれども、
ぜひお願いしたいということで、
例外的に今回は一月、
今日と明日の二日間になりました。
二日間で、生徒さんたちが用意してきた作文を元に、
十六ページの小さな可愛い本を作ります。
今回は、
神奈川新聞の記者やヨコハマ経済新聞のライターも加わり、
いっしょに本作りを体験してもらいます。
初日午前中の講師はわたしが務め、
あとはテラチーと多聞君が、
といっても、他のものも加わって、
春風社としても、
二日間の大きなイベントになることは間違いありません。
わたしたちは、
教えながら、ふだん体験しないことを、
生徒さんたちから教わることになります。

 ふるさとや電話を置きし冬晴れ間

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日々の道

 

 手袋や完全防備の五十代

正月、秋田に帰省した折、
父から斎藤肇氏の詩集『日々の道』(書肆えん)を示された。
斎藤氏は一九三三年(昭和八)、秋田県井川町生まれ。
高校卒業後、地方公務に携わるかたわら、詩作を行ってきた。
日々の道は、そうしたなかで紡がれた氏の珠玉の第二詩集である。
詩は「物や経済などのくらしの表と、表裏一体である内なる“芯”は、
つまりくらしの命脈と言っていいのではないか」
と「あとがき」に記している。
詩集を一気に読むことなど稀であるが、
『日々の道』の一つ一つの言葉が身に沁みて、
巻を閉じたとき、ホーと溜め息がでた。
ふるさとにくらし、ふるさとの恩恵をまるで雫のように、
ありがたくていねいに受け留めている言葉、詩である。
感想を手紙に書いて送ったところ、
斎藤氏からありがたい手紙とともに、詩集を恵贈された。
これからも折にふれ巻をひらき、
そのたびに瑞々しいふるさとの息吹に触れることになるだろう。
ありがとうございました。

 冬不忘共刷りトンボバーコード

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 底冷えの一日(ひとひ)稿成り空冴ゆる

このごろの休日は、秋田に関する原稿を書いています。
点でしかなかった記憶が線でつながり、
書いては考え、想像をたくましくしているうちに、
紡いだ糸がやがて面を構成していくような具合で、面白い!
土曜日、会社にお越しいただいた方は、
中学二年のとき、「二十年後の夢」として、
本を出したいと書いたのだそうですが、
春風社との縁で夢を叶えることができると、
とても喜んでおられました。
こちらこそ、そういう夢の実現に参画できることを、
心からうれしく思います。

 雪や雪稿の秋田に降りしきる

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。