三要素

 いつも頭を悩ますのは本のタイトル、定価、刷り部数。これを売上を左右する三要素と呼ぶ。(わたしがそう呼んでるだけだけど)このごろは意識して定価を下げ、その分、部数でかせごうと思っている。定価×部数の合計金額が同じでも、それが読者に喜んでもらえるものであれば、定価を抑え部数を伸ばしたほうが、それだけ多くの人に知ってもらえることになるわけだから、できるならこちらの選択肢を択びたい。功を奏してか、このところ新刊の売れ行きが好調だ。気をつけなければならないのは、増刷のタイミングだ。それまで売れていたのにどういうわけか、誰かがどこかで意地悪でもしているかのようにぴたりと止まる。頭を悩ますところだ。
 定価と部数の相関関係とならぶ第三の要素がタイトル。タイトルが大事なのは言わずもがなのことだけれど、ここに来て、定価、部数、増刷のタイミングなど、考慮すべき要素との微妙な関係をさらに考慮したうえで、タイトルの設定もさらに磨きのかかったものにしなければならないと思っている。

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玄米粉クリーム

 西式健康法を今に伝え、ミュージシャンのサンプラザ中野が師と仰ぐ甲田光雄さんがすすめ、月刊誌『あなたと健康』の主宰者・東城百合子さんもたしかすすめていた玄米粉クリームを休日、つくって食べてみた。
 つくるのはいたって簡単。秋田から送ってもらっている玄米をミルサーにかけ、粉にし、水でといて鍋で3分もあっためると、粘りがでてクリーム状になる。さっそく試食。マズっ!
 あまりのマズさに箸がすすまない。まるで、鶏の飼料のような味(って、実際に食べたことはもちろんないけど、鶏舎のなかに入った時の匂いにそっくりだったから、味も多分いっしょだろう)。シラス干しをかけたら少し箸がすすんだ。ナラヅケを副えたらまた箸がすすんだ。というわけで、1合の玄米粉クリームを完食するのに相当手間取った。それなので、2度目は、一計を案じ、玄米をよく洗い、それをフライパンに入れ、火にかけ、水をとばして少々炒った。それからミルサー。さらに、カタクチイワシの干したのもミルサーにかけ、玄米粉といっしょに水でとき、塩と日本酒を少々入れ味をととのえた。これでどうだっ! ウマっ!! 今度は体だけでなく舌も喜んだ。

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本のうえの本

 全10巻の『新井奥邃著作集』が本棚にずらーっと並んでいて、そのうえに操体の名で一世を風靡した橋本敬三さんの『万病を治せる妙療法』が背文字をこちら向きにして積まれている。そのまたうえが谷川俊太郎さんの『「ん」まであるく』。
 谷川さんのこの本、今年が2007年だから21年前にわたしは買ったのだろう。初刷が1985年10月15日で第5刷が1986年9月1日とある。一年足らずで5刷だから、相当売れたのだろう。タイトルに惹かれて買ったように記憶している。ところが、読もう読もうと思いながら、とうとう読まずに今日まで、いや、昨日まで来た。そして、昨日、ふと、手に取り読み始めた。面白い。
 谷川さんの主に40代から50代にかけてのエッセイを集めたもので、今のわたしの年齢にかさなるから、そのこともあって興味を惹かれたのかもしれない。たとえばこんな文章がある。
「こんなむずかしい世の中で、自分ひとりいい顔をしてる人がいたら、その人はエゴイストなんじゃないかと思う。むしろ陰惨な顔をしてる人のほうが、信じられる。眼は血走り、下まぶたには脂肪をため、頬はそげ、時おり自分の顔を鏡で見て、ぎょっとすることがある。だが鏡ではなく他人にむかうと、そんな顔でも和むものである。他人の顔を見ていることで、きっと私は孤独から救われているのだろう。」タイトルは「自分の顔」。

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バナナ

 夜、帰宅し、ひと休みしたあとで、ふとトイレに立ったとき、ほんの少しだけど石鹸の仄かな香りが漂って鼻をくすぐった、ような気がした。気がしただけかもしれないが、それよりもそのせいで、急にバナナが食べたくなった。固い少年のようなのじゃなく完熟したのを。一日の目標ができた。完熟したおとなのバナナを食べること! でも、石鹸の香りとバナナの関係って、どういうの?

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天の気

 先週土曜日だったか、真夏日とのことで、さあ、これからいよいよ暖かくなるかと思いきや、昨日と今日は打って変わって冬並みの寒さ。怒っているのか悲しんでいるのか、人間の体調に影響しないはずはない。ゴーゴーという風の音まで聞こえる。やっぱり怒っておられるらしい。こういう日は、暖かい部屋で少し濃い目のチャイでも飲んで、じっと静かにしていたい。

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鉄の門

 気功の練習において密処(日本でいうところの蟻の門渡り)をリラックスさせることが重要なポイントであることをここに書いたが、それは初心者にはなかなか難しい。先生にそのことを申し上げたら、中国では密処のことを「万矢不開」「鉄の門」 とも言うと教えていただいた。
 密処には八本の経絡が交差しており、エネルギーの集まる場所。密処をリラックスすると内分泌のホルモンを整える事ができて、腎臓強化に良いそうだ。
 なるほど。しかし、なんというか、この二つの言葉。じっと見ていると、密処というのが何か堅牢な城郭で、いかめしい兵たちが万全の態勢で扉を守っている姿が浮かんでくる。絶対にリラックスなんぞさせるものかと。ふむー。兵たちをアメとムチで手なずけるべく努力するしかないようだ。

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パンフ

 以前勤めていた出版社では、よくパンフレットやチラシをつくっていた。「3時に出かけるから、それまでにつくっておけ」などと社長から指示されると、昼食をとる時間がないこともしばしばだった。
 そんなことを思い出したのは、若い人に教えてもらい、イラストレーターなるものでパンフをつくっているからだ。画面に向かっていると、つい、前に使っていた編集機の要領で操作しようと勘違いし、あれ? なんてことも。

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