祖父母ゐて夢のつづきを見てゐたり
日ごとに寒さが増し、朝、布団を離れるのがつらくなりました。眼が覚め、まず時計を見ます。すると布団を離れるまで30分ほど、まだ間があったりします。こういうときは、まさに至福の時ですね。
目覚め前に見ていた夢がたのしかった場合は、なごりを惜しむかのように、とろとろと続きを見ていたり。ハッとして時計を見遣ると、5分と過ぎていなくて驚くことも。かと思うと、不覚にも瞬時に深い眠りに落ち、起きなければいけない時刻を数分やり過ごすことも…。
エスカレーター鼻先三寸尻寒し
マフラーを巻いてかじかむ一人かな
ブルブルと釣り上げしごとケータイ音
気功教室の帰り、Tさんから聞いた話。
Tさんは料理教室の先生をしている。詳しいことは分からないけれど、二泊三日の集中コースがあるらしく、いつも準備が大変とのこと。生徒の年齢層にもよるだろうが、生徒たちに教える料理とは別に、合宿中みんなで食べる料理の算段をしなければならない。量の計算が難しく、作っているうちに、足りるだろうか、不足したらどうしよう、と頭を悩ませてきた。ところが今回、なんだか分からないけれど、足りなければ果物もあるし、なんとかなるか、ふとそう思えた。彼女としては、ダイエットだけでなく、これも気功のおかげ、ということであるようだ。
友のかほ後から後から雁渡し
月白く人語も霞む菊名かな
エスカレーター上り下りの爽気かな
雑誌の取材で江戸川橋の日本禅密気功研究所へ。朱剛先生を交え編集部の方と打ち合わせ。
生徒の中に内科、外科、精神科の医者がいることを先生からうかがう。西洋医学に精通する専門医も認め、みずからの健康のために「背骨ゆらゆら」を生活の一部に加えているようだ。
打ち合わせ終了後、しばし歓談。来たる木曜日に朱剛先生、来社の予定。
冬来る花の魚を食ひにけり
初鍋の蓋に眼が行く上の空
鍼灸院出でてケータイ風さやか
俳句で儲けて貯金をしているわけではありません。
束見本(本を作るときにサイズを正確に知るための見本)を常に持ち歩き、ふっと句が湧いてきたら、さっと書き止めているわけですが、コンスタントにできるわけではありません。
やはり休日、ふらりと散歩に出たときや電車で遠出したときなどに書き止めることが多くなります。十句、十五句。
この日記は月曜から金曜までなので、一日三句を消費(?)するとして五日で使い切ってしまうことになります。週の途中で数句補充しなければ残高が無くなってしまうことも間々あります。俳句貯金と呼びたい所以です。
アスファルト突き抜けなびく猫じゃらし
遮断機や列車すれすれ猫じゃらし
*ちなみに下の写真は猫じゃらしでなく唐辛子です。
角曲がりそこや賑わふ猫じゃらし
西川史子さんというタレントがいます。史子と書いて、あやこと読むんだそうですね。
セレブでセクシーな女医さん、というのが通り相場なようですが、つくられたキャラクターを演じている部分が多いのかもわかりません。バラエティー番組によく出ています。
そんなことは、まあ、どうでもいいのですが、わたしはああいう顔が割りと好みです。
ベッキーも好きです。けばい化粧をした夏川純も。顔ですよ。
そうすると、どういうことが言えるかというと、人形顔ということばが浮かんできます。
林晃久さんの絵を持っていますが、彼の描く絵は西川さんがモデルではないかと思えるぐらいに人形顔なのです。西川さん、もう少し太ってくれないかな。
猫じゃらし掌中に生きてもこもこと
上り列車カーブする間の猫じゃらし
ひと嫌ひ尽きて立冬ひと恋し
大型の台風が去り、きのうは終日秋晴れで気持ちよく、もったいないので、一人いそいそと近くの公園まで出かけ気功をやりました。ずっと眼を閉じて30分、40分。収功(気をあつめ丹田におさめる)を終え目を開くと、一瞬いろが失われ、それからパッと総天然色が甦ります。
おじさんが2リットル入りのペットボトル2本に水を入れ立ち去りました。
東北人たぬきのごとく寝てゐたり
狸汁たぬきのごとき東北人