文章の芽

 藪中をアブ一匹狂ひけり
サラリーマン時代を含め出版社勤務が20年になり、
自分の中で、何が変ったかなぁと考えたら、
文章の書き方というか、
文章を書くときの心構えみたいなものかなと、
気づきました。
小学校の作文以来、文章を書くことは、
そんなに好きではありませんでした。
むしろ嫌いな部類だったと思います。
「嫌」の中身をいまさら分析しても始まりませんけれど、
書くことを頭の中でまとめてから書く、
これがけっこう「嫌」の中身を構成していたのかなと
いま思うわけです。
考えがある程度まとまって、書くことが出来てしまえば、
はっきり言って、別に書かなくてもいいのでは、
と思ってしまうのですね。
つまらないんですよ。
読んでくださる人の存在だけを恃みに
ここに駄文を弄しつづけてきましたが、
きのう社の寺地君に数えてもらったら、
5月23日までに2513回だそうです。
(5月23日は記念すべき小社10周年パーティーの日)
読んでくださる人がいるから
書きついで来れたわけですけれども、
おかげさまで、
考えがまとまってから書くのじゃない書き方が
身に付き楽しいのかなと、
他人事みたいですが思いました。
文章の芽を見つけ、キーボードをぱちぱち打つことが
鉢植えの草に水を遣るような具合です。
そういう気づきも、読んでくださる人がいればこそです。
ありがとうございます。
 茂り中脛の痛さ痒さかな

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HPグランドリニューアル

 ぶりぶりのブラックタイガー茂り中
いきなりですが、弊社何度目か(いい加減ですね、ハイ)の
HPグランドリニューアルを画策しています。
アートディレクターの多聞君の指導の下、
若い人たちが頑張ってくれています。
わたしは原始人的PC音痴なので、
飛び交うことばがよく理解できません。
でも、
こんなことできる? こんな風にみせられない?
みたいな、やりたい希望と願望は強くありまして、
それを若い人にぶつけます。
若い人が智恵を出し、生き生き活動するのを見ていると、
それだけで元気がもらえます。
どんな風になるかなあ。
ふふふ、たのしみたのしみ。
 新緑やブラックタイガー赤くなり

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やさぐれ

 伸び縮む餃子の皮を初夏の風
群馬県島小学校に斎藤喜博という人がいました。
若くして校長を務めました。
百年に一人でるかといわれ、
授業の神様といわれ、
斎藤さんの全集が国土社から出版されたとき、
ほぼ同時期に刊行された『太宰治全集』と同じぐらい売れた
という話を聞いたことがあります。
若き大江健三郎は、島小学校を訪れ見聞きしたことを、
みずみずしい感性でまとめています。
全国の先生方が、手弁当で島小学校を訪れ、
授業と学校を見学しました。
公開授業が終わってから、訪れた先生たちを交え、
研究会が開かれました。
その席上、廊下にゴミが落ちていたことを指摘した先生がいました。
どういうつもりで、その先生は質問したのでしょう。
全国に名をとどろかせている島小学校なのに、
廊下にゴミが落ちていたということで、
何か大事なことを発見したとでも思ったのでしょうか。
斎藤校長は、その質問に答え、
「あなたが拾えばいいではないですか」と言ったそうです。
良いところを見ないで、
欠点ばかりをあげつらい喜々としている人がいるものです。
そのことで何か真実をついているとでも思っているのでしょうか。
たとえば大江健三郎にしても、
廊下にゴミの一つや二つ見つけたかもしれない。
しかし、そんなことは敢えて言う必要のないことです。
欠点に鵜の目鷹の目となり、それを指摘し、
引きずりおろして喜ぶ暗い精神には、
結局人間は同じさという奴隷根性と、
それによって自らを正当化し学ぶことをしない
怠惰でやさぐれたこころが巣食っています。
 一陣の風ビールの泡を飛ばしけり

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吐納気法

 手作りの捏ねて伸ばして春餃子
天気がいいので、ご近所さんも交え、
外で気功をやりました。
いつもの築基功を終えた後、
吐納気法を行います。
吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、
さくらは終わりましたが、
八重桜が満開です。
吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、
振り返れば遠くに富士山、
八重の間からのぞく空はさらに青く、
吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、吸うう、吐くう、
腰を落として渾円勢。足裏はぴたりと大地に張り付き、
手のひらと足裏がつながっているようにイメージしながら、
ヨーヨーの要領で軽く屈伸をし、
おもむろに元へもどる。と、
ふ〜
深いなあ。
もひとつ、ふ〜
もう一回、ふ〜
……………
ああ、ああ、いい気持ち。
 二つ折りズボンの裾の桜かな

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時間

 赤魚の西京焼き良し青葉かな
このところ『男はつらいよ』シリーズを続けざま見ています。
きのうは45作目「男はつらいよ 寅次郎の青春」
これを見るのは今回が初めてです。
寅さんの物語もさることながら、
さくらと博の息子、満男君の話に重点が置かれています。
1969年の第1作で生まれた満男君もすでに大学三年生。
45作目が作られた実際の製作年が1992年ですから、
ほぼ重なっています。
寅さんもさくらも博も、おいちゃん、おばちゃんも
年取るわけです。
老け込んだタコ社長の姿が印象的でした。
このシリーズ、本当の主役は誰かといえば、
人間よりも時間かもしれません。
おいちゃん、おばちゃんの白髪の数や
さくらの目尻の皺の数は、
メイクさんでなく、時間がメーキャップしてくれています。
それと、時間の神様はもう一つ、
味を加味することを忘れてはいません。
しばらくはこれで楽しめそうです。
 ひじきあり焼き魚あり味噌汁も

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ペ

 マルコメの坊主頭の桜かな
なくて七癖とか申します。
人の癖は目に付くのですが、
自分のとなると、指摘されるまで
なかなか気づかないことが多いようです。
わたしの癖で、
「ペ」と「ペー」と「ペペッ」があるそうです。
あるそうですでなく、あります。
たとえばパソコンを操作していて、
ボタンひとつで簡単に目的が達せられる場合は「ペ」
溜まった迷惑メールを削除し左のバーがゆっくり持ち上がり
消えていく場合などは「ペー」
天才的に作業効率が上がる場合の操作などは「ペペッ」
一つの作業をするスピード、容易度、流麗度などを
身体感覚で使い分けているようです。
(ちょっと大げさか)
言われてみて、なるほどです。
指摘してくれたのはオカピ、
いや、岡田君。
大学院で言語学を専攻してきた岡田君です。
 焼き魚定食820円初夏

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グラン・ブルー

 観桜の寂しさいよよ華やげり
保土ヶ谷のコットン・クラブで知り合った飲み友達で
通称ナベちゃんという人がいます。
この日記にも何度か登場していただき、
そのことを肴にして飲んだこともありました。
鎖骨を骨折してから、こころも折れてしまい、
しばらくお酒も飲まなくなり、
コットン・クラブへもご無沙汰し、
ナベちゃんに会うこともなくなりました。
そのナベちゃんがお店を出しました。
お店の名前はグラン・ブルー。
前を通るたび、
顔を出さなきゃ出さなきゃと思いながら、
ずいぶんご無沙汰したせいか、
なんとなく入りそびれて
時間ばかりがいたずらに過ぎていましたが、
昨日やっとおじゃましました。
もっと早く来ればよかったかなあの思いと、
来なかった時間のありがたさが交錯し、
これでよかったかなと思いました。
少々今日は二日酔いです。
 ありがたし欲しいものなし桜かな

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