政治家

 咳のひと顔ごときんちゃく被せたし
 固定資産税やら年金やら保険料やら税金が今月は十万円を突破。なんなんでしょうね。いやんなります。
 テレビをつければ着服、着服、挙句の果ては、謝罪会見で着席して説明させていただきますと言うべきところを、着服して説明…と言い間違えるなど、もう笑うしかありません。
 政治家はどこへ行ってしまったんでしょう。田中正造さんのような筋の通った、まっとうな人はいないものですかね。
 中華街寿司を食して風邪引けり
 悴みて邃の字打ったり新ケータイ

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*台湾を旅行した友人から写メールを送られる。

りんごのほっぺ

 網タイツミニスカすかし頬真っ赤
 京浜東北線のホームへの階段の数歩先、目の前を美脚の女性が歩いていました。こんなに寒いのに凄いな、でも、カッコいいな、セクシーだな、なんて。
 ホームに立つと、浜の風か、ぴゅーぴゅー顔や首筋にまとわりついてきます。ふと見れば、頬を赤く染めた娘さんがわたしの隣りのレーンに並んでいます。服装を見、さっきの美脚の女性と気づきました。首から下はカッコいいしセクシーだけど、頬がりんごのほっぺではどうなの、と思いましたが、ファッションが寒さより優先される師走であるかと納得。
 電車内咳に挟まれ立ち往生
 咳を避け三歩あるいて咳を浴び

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奇跡の4分30秒

 邪気ありて己つ知らずや寒空の下
 サラ・マクラクランの『サーフィシング』に入っている「エンジェル」に滂沱の涙を流したことはすでにここに書いたが、その後も、毎朝出社前に聴き、良い気に浸っている。
 ときどきはまだ目の奥がジーンとなることもあるけれど、最初に聴いたときほどではない。落ち着いて聴けるようになった。
 4分30秒。終わると、ふーと溜め息が出る。大げさに言えば、3秒速くても遅くても歌の印象は変わってしまうかと思われる。それほど完璧で奇跡の4分30秒なのだ。
 サンタナとやったライブのも聴き、それはそれでお客さんの大歓声に応えるようにして歌い素晴らしいし、爽やかでもあるが、次元が違う。
『サーフィシング』の録音のときの彼女の状態が特別のものだったのではないかと想像する。なんともやさしく慈愛に充ちた声だ。ゆっくり、たっぷりした声に導かれ、一段一段階段を上っていき、今自分が生きている場所を上から静かに眺めているような気分になる。そういう場所でしか生きられない人間なのだと納得させられるような、でも、諦めないでと励まされる。奇跡と呼びたくなる所以だ。
 毒吐いて一夜眠るも寒の雨

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経済

 焼き鳥屋寒空焦がし煙り吐く
 経済というのはお金のことですが。今わが社が入っているビルの隣の開洋亭という立派なホテルが取り壊されています。解体後、新たに結婚式場ができるのだそうです。それは経済的な大人の事情があって仕方のないことだとは思いますが、解体作業の現場を通るたびに、この立派な建物をわざわざお金を掛けて壊して新しく何かを建てる必要があるのかと、正直思ってしまいます。素人目にも、解体にかかるお金は億の単位を下回るものではないと思われます。
 よくこのホテルをバックにテレビドラマの撮影も行われていました。梅宮辰夫さんや柳葉敏郎さんなどを見かけたことがあります。だからどうということではありませんが、本当に立派で威厳のある風情のある建物でした。
 地球外の星から来たひとが見たら、人間はなんて愚かしいことをしていると思うのじゃないでしょうか。

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モバイル辞典

 寒空や煙の中からハイヒール
 好評の『頭山満と近代日本』だが、きのう電話で注文してきた人は「づやまみつると〜」と言ったらしい。総務の伊藤が電話を取った。一番多い間違いは「あたまやまみつると〜」。そういう状況なので『新井奥邃著作集』の新井奥邃はまず読めない。おくつい、または、おうついと読む人が多い。正しくは、おうすいです。
 ところで「邃」の字だが、これが難しい。ケータイでだれかに新井奥邃について伝えようとするとき、非常に間抜けたことになる。
「新井奥すい。すいは、あなかんむりに遂行の遂の右側を書いて、それにしんにょう」なんてなことになり、急に腰砕けなへなちょこ文になってしまう。
 ところが、先日買い換えたケータイにはモバイル辞典なるものが搭載されていて、英和、和英、国語、その他いくつかの辞典が使えるようになっている。試しに国語辞典で「幽邃」と入力してみた。「邃」の字もちゃんと出てくるではないか! 素晴らしい! さっそくコピー・アンド・ペーストで自分の作文に貼り付ける。おおおっ! ケータイの軽めのゴチック体はしょうがないとして、ちゃんと「新井奥邃」となった。ふむ。ケータイ電話のメールで新井奥邃を告げたのは日本で、いや世界で、おいらが初めてではなかろうかと一人悦に入った。
 北風も焦がして焼き鳥焼きにけり
 不審火と見遣ればいつもの焼き鳥屋

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‘いい本’

 哲学者ひとりぽっちの年の暮れ
 『頭山満と近代日本』がおかげさまで売れ行き好調、ありがたいことです。それにつれて、『新井奥邃著作集』など、地味な既刊本も少しずつですが注文が入ってきています。これは、『頭山満〜』によって小社のことを知ってくださった方が、へ〜、こんな本も出しているのか、と他の書籍も購入してくださっているからだと思われます。はっきりとは分かりませんが、おそらく間違いないでしょう。
 大手新聞に広告を打っても、お金がかかるばかりで今はそれほどの効果が望めません。となれば、読者に喜んでいただける‘いい本’を作り、そこから裾野を広げていくしかありません。
 ‘いい本’は売れないというのがこの業界のジンクスで、それは全くそのとおりなのですが、あまり売れそうにない‘いい本’が読者の手に渡り会社が認知され、他の本にも興味を持ち、1冊でも買ってくださる方がいれば、そのほうが小出版社にとっては望ましい気がします。もともと小部数しか作っていませんから。その点、農薬や肥料を使わずに野菜やお米を作っている、こだわりの農家に近いかもしれません。

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背骨ゆらゆら

 天使かと聖夜降り敷くサラの声
 背骨ゆらゆら健康法が今月15日発売号の『壮快』『Sundari(スンダリ)』に紹介されました。
 特に『壮快』では、内科医、外科医など西洋医学を修めた現場の医師の体験談をはじめ、朱剛先生の解説、蛹動(ようどう)、擺動(ばいどう)がていねいに紹介されています。また、横浜教室の模様がカラー写真で掲載されています(赤いシャツは専務イシバシ、黒いセーターがわたし)。
 小社刊行『背骨ゆらゆら健康法』とあわせご覧ください。

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