似ている人

 六月の大安吉日晴れやらず
祖父トモジイの友人で、
毎日自転車に乗りヤクルトを配達していた人
(だれ言うともなくヤクルトおじさんと呼ばれていた)は、
前島密(まえじま・ひそか 1円切手の肖像になっている)
に似ていた。
小学校の教科書でその人の写真を見たとき、驚いた。
郵便制度の父と呼ばれた前島密が密かに
(などとダジャレを言ってみる)
生まれ変わって今度は
ヤクルトを配っているのかと思った。
世の中に三人似ている人がいるというけれど、
あれは衝撃的だった。
このごろだれかに似ているなという人が二人いる。
一人は、タレントのせんだみつおによく似た女性。
せんだみつおの芸名は、
千に三つしか本当のことを言わないからということらしいが、
ナハ、ナハ、ナハ、ナハ、というのがネタの
鼻のでかい、あまり面白くない芸人で、
最近はとんと見なくなった。
そのせんだみつおによく似ている女性がいる。
紅葉坂の途中ですれ違うのだが、
いつも心なしか悲しそうに坂を下りてゆく。
小さい頃から、せんだみつおせんだみつお、
やーい、せんだみつお。せんだみつおにそーーーっくり!
なんて囃し立てられてきたんだろうな。
もう一人、紅葉坂ですれ違う人で、
なにかに似ているなあ似ているなあと思いながら、
それと定められずにきた女性がいたのだが、
先日、富士花鳥園に行ったとき、
そっくりの、人でなく、鳥がいた。
しばらくその前から離れられなくなった。
それが下の写真です。
以来、すれ違うたび、
この鳥が服着て歩いているとしか思えなくなった。
 にょっきりとランドマーク梅雨に入る

4a43f0f9de624-090607_0916~0001.jpg

父からの電話

 梅雨浸透青汁瓶の裏表
東洋英和女学院大学へ行ってきた。
閑静な山間にあるキャンパスは大きすぎず、
自然と一体になっており、学ぶにはいい場所と思われた。
大学の先生方三人と打ち合わせをしている最中に
鞄の中の携帯電話が鳴った。
プロディジーのホット・ライド、うるさい曲だ。
電話の着信に父の名前が表示されている。
条件的な話の緊張した沈黙が流れているときだったから、
余計あわててしまった。あわてて、
どこのボタンを押していいのか分からなくなり、
結局、最後まで曲はつづいた。
打ち合わせが終わり、建物の外へ出てから、
父に電話した。何か急用でもあったのか?
「電話したろう。どうした?」
「午前中、山に行ってミズを採ってきたからさ。熊は出なかったよ」
「そうか。それはよかった」
「金曜日の夜に届くように送るからな。作りかたは、このあいだ母さんから聞いたろう」
「うん。分かってるよ」
「じゃあな」
「はい。どうも」
ミズという山菜を叩いてつぶして味噌と山椒とあえる
ミズタタキが食いたいかと前の電話で訊いてきたから、
ああ食いたいと言ったので、
さっそく父は山へミズを採りに行ってきたのだ。
「熊は出なかったよ」というのは、
そのときの話で、町にこのごろ熊が出没しており、
くれぐれも注意するようにとのお触れが
有線放送で流れているとの話に由来する。
ミズタタキは食べたいけれど、熊が心配だから、
送ってくれなくてもいいよと改めて
父に電話していたのだが、
父はわたしの警告を無視し山へ入り、
ミズを採ってきてくれたのだった。
だから、
「仕事の最中に電話してくるな」とはとても言えなかった。
 青汁を飲んで六月沈みをり

4a429cdf3377e-090607_0934~0002.jpg

躾か胃腸か 2

 原因を忘れなほ鬱梅雨湿り
昨日ここに記したテラチーくんの問題は、
一応の結論を見ましたので紹介します。
仕事の打ち合わせを終え社に戻ったテラチーくんに、
よもやま日記を見るように指示したところ、
ほどなくわたしのところにやって来て、
「どちらかというと胃腸が原因かと思われます」
あくまでも真面目なテラチーくんなのでした。
ところが、思わぬところから反響がありました。
ほかの用件で橋本カメラマンに電話をしたのですが、
橋本氏いわく、
テラチーくんに関する分析は、二つとも正解でしょう。
しかし、もうひとつ忘れてならないのは、
テラチーくん、おそらく無意識のうちに
立ちたいのはないだろうか。
ずっとデスクワークでパソコンと睨めっこをしていて
血の巡りが悪くなっているから、
体が立って血の巡りがよくなるように
指示しているのでしょう、云々。
電話を切った後、
橋本氏の分析をテラチーくんに伝えたところ、
テラチーくん、ちょっと小首を傾げ、言下に、
「それはないと思います」
「無意識ということもあるじゃないか」と、わたし。
すると、テラチーくん、
「無意識ですか。それならあり得ます」
あくまでも真面目で、礼儀正しく、
ここのところめっきり果物の皮むきが上手になった
テラチーくんです。
 荒梅雨の空いっぱいの馬の腹

4a41488b780d5-090623_0905~0001.jpg

躾か胃腸か

 梅雨階段匂ひ常世に滑り落つ
きのうのことでした。
編集長ナイ2から、
梅津八三(うめづ・はちぞう)の肩書きは何かと訊かれ、
ただの心理学者じゃつまらないしなあと思い、
心理学ならテラチーくんだと気がつき、
テラチーくんに声をかけました。
テラチーくんは自分のパソコンを離れ、
わたしのそばまでやって来て、
「はい。なんでしょう?」
「テラチーくん。梅津八三の肩書きは何だろうか?」
「はあ? 心理学事典を調べれば出てくると思いますが…」
「そうか。ウィキペディアにはなんて出てるかな?」
「あ。そうですね。調べてみます」
そう言ってテラチーくんは
自分のパソコンがある場所まで戻りました。
それから数分後、テラチーくん、おもむろに立ち上がり、
わたしのところまでやって来て、
「梅津八三は発達心理学者です」と答えました。
わたしは、うなりました。
ふつう、自分の席から大声で、
「しゃちょー、うめづはちぞうは、はったつしんりがくしゃでーす!」
とか言うでしょう。
テラチーくん、そんな失礼なことはせずに、
きちんと自分の席から上司のところまでやって来て、
「梅津八三は発達心理学者です」
すばらしい! 家庭の躾のたまものでしょう。
なかなか出来ることではありません。
と、そう考えたのですが、
はたと思い出したことがありました。
テラチーくん、胃腸があまり丈夫でない。
胃腸薬に滅法くわしく、「ザ・ガード」の愛用者でもあります。
ちびまる子ちゃんの同級生の山根くんを彷彿とさせます。
よく他の社員から聞き返されています。
要するに、声がちょっと小さい。
そうすると、きのうの出来事は躾のよさに起因するのではなく、
胃腸の弱さにその原因を求めるべきだったのでしょうか。
テラチーくん、どうよ?
 梅雨の夜や物みな青く光りをり

4a3ff913a12ef-090607_1001~0001.jpg

よしもと若手お笑い芸人

 辣韮をガリリと齧る辛さかな
秋田の後輩で日本生命に勤めている友人から、
チケットをいただき、
渡辺直美、麒麟、ハイキング・ウォーキング、COWCOWなど、
よしもとのお笑い芸人六組のネタを堪能してきました。
12時半開演、11時半から指定席券との交換だったのですが、
スタッフが気を利かし、11時から交換を始めてくれたので、
そんなに並ばなくても、始まるまでゆっくり食事もでき、
言うことなし。席も四列目で、これまた言うことなし。
いっしょに行ったひかりなちゃんたちも満足げ。
ひかりなちゃんはとくに麒麟が面白かったようですが、
わたしは、和製ビヨンセ渡辺直美の体を張った踊りに
魅了されました。
アニメキャラがそのまま登場したみたいで、
彼女が踊っていた10分ほど、ずっと笑いっぱなし。
梅雨のじめっとした気分もいっとき晴れました。
遠藤君、ありがとう!
おかげで、楽しいひと時を過ごすことができました。
 手を合はす人無し梅雨の道祖神

4a3ea987741b2-090618_1351~0001.jpg

集中集中

 辣韮を喰らひ欲情擡げたり
木曜日七時からは、横浜気功教室です。
横浜駅西口から歩いて徒歩五分ほどのところにある
神奈川県民センターが会場です。
四基のうち二基が修理中のため、
(修理と称してビニールシートを被せてから早一ヶ月以上)
エレベーター前は、
センター利用者でいつもごった返しています。
暑いなー。
エレベーターがようやく到着し、ドアが開くと、
待っていた群衆がどやどやと箱の中に入り込みます。
「間もなく満員になります」
そんなこと言われなくても分かっている
余計なアナウンスを、このエレベーターは発します。
なんだかとってもイライラします。
「間もなく到着します」
どこに到着するんだよ。
「七階です」
「間もなく七階に到着します」でいいところを、
いちいち、
「間もなく到着します」でひと呼吸置いてから、
「七階です」とくる。
本当にイライラするエレベーターです。
十五階で降り、指定の教室に入ると、ムッ!
梅雨のこの時期、クーラー無しはつらい!
体の中の意念に集中しようにも、
汗が吹き出し、それどころではありません。
つらい修行がもうしばらく続きます。
 梅雨の夜眼下高速賑へり

4a3ab83bcdc08-090618_1406~0001.jpg

パーティーは愉し

 牛舎前ソフトクリームねじ巻けり
弊社十周年パーティーの際に、
カメラマンの橋本さんが写真を撮ってくれましたが、
記念のアルバムはそのままとして、
お越しいただいた方の写真を焼き増しし、
わたしの担当分の写真は昨日ですべて、
それぞれの方へ手紙を添え送りました。
改めて写真を見たのですが、
みなさん、本当によく笑っていらっしゃいます。
実も蓋もない言い方ですが、
パーティーって、いいもんだなあと思いました。
温泉につかったみたいに、
毛穴が開いてさっぱりもしました。
風の具合が感じられます。
いろんなお蔭様の相乗効果があったのでしょう。
これからは、本が出るたび著者をお呼びし、
出版記念パーティーをやろうか、
なんて思ったぐらいです。
月平均にして二、三冊出していますから、
それだけパーティーをやるとなると、
それはそれで大変そうですが、
いろいろ勉強させてもらえるし、
今後の展開を大きく指し示してくれそうです。
いろいろアイディアが浮かんできました。
橋本カメラマンの「出版社は港町だ」
の言葉を思い出しました。
 猥褻也鬆展放収梅雨晴間

4a3960bebb7b6-090607_1005~0001.jpg