似ている人

 六月の大安吉日晴れやらず
祖父トモジイの友人で、
毎日自転車に乗りヤクルトを配達していた人
(だれ言うともなくヤクルトおじさんと呼ばれていた)は、
前島密(まえじま・ひそか 1円切手の肖像になっている)
に似ていた。
小学校の教科書でその人の写真を見たとき、驚いた。
郵便制度の父と呼ばれた前島密が密かに
(などとダジャレを言ってみる)
生まれ変わって今度は
ヤクルトを配っているのかと思った。
世の中に三人似ている人がいるというけれど、
あれは衝撃的だった。
このごろだれかに似ているなという人が二人いる。
一人は、タレントのせんだみつおによく似た女性。
せんだみつおの芸名は、
千に三つしか本当のことを言わないからということらしいが、
ナハ、ナハ、ナハ、ナハ、というのがネタの
鼻のでかい、あまり面白くない芸人で、
最近はとんと見なくなった。
そのせんだみつおによく似ている女性がいる。
紅葉坂の途中ですれ違うのだが、
いつも心なしか悲しそうに坂を下りてゆく。
小さい頃から、せんだみつおせんだみつお、
やーい、せんだみつお。せんだみつおにそーーーっくり!
なんて囃し立てられてきたんだろうな。
もう一人、紅葉坂ですれ違う人で、
なにかに似ているなあ似ているなあと思いながら、
それと定められずにきた女性がいたのだが、
先日、富士花鳥園に行ったとき、
そっくりの、人でなく、鳥がいた。
しばらくその前から離れられなくなった。
それが下の写真です。
以来、すれ違うたび、
この鳥が服着て歩いているとしか思えなくなった。
 にょっきりとランドマーク梅雨に入る

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