深雪

 

・雪かきの父の眼鏡の曇りけり

深い雪と書いて、
みゆき。
俳句を考えていたら、
不意に思い出しました。
高校教師になり、
初めて担任した高1のクラスにその名の生徒がいました。
明るく元気、はつらつとした子で、
英語、国語をはじめ、
数学以外はいつもトップクラス。
ところが、
数学だけはからっきし。
そこで、
なんでだろうと疑念がわき、
放課後だったか、
夏休みだったか、
記憶が定かではありませんが、
その子のためだけに、
補習みたいなことをやりました。
わたしは社会科の教師でしたが、
数学が好きだったし得意科目でもありました。
その子のため
ということはもちろんですが、
数学あるいは算数の学習過程の
どこかでつまずいているはずだと睨み、
それがどこでなのかを確かめたかった
ということも
個人的にありました。
最初は恥ずかしがっていた深雪さんですが、
一対一の勉強に
だんだん慣れていくようでした。
そしてついに発見!
分数の割り算の理屈が
どうやら合点がいっていないのでした。
そこでつまずいて、
以後ガタガタと…。
深雪さん喜んだ喜んだ。
わたしもスッキリ!
高校を卒業した年、
深雪さんは北海道を旅行し、
アイヌの木彫り人形を
お土産に買ってきてくれました。
きみまろ風に言えば、
あれから三十五年
にもなりますが、
今も大事にとってあります。

・飛び出して脚に重たき深雪かな  野衾

ガリガリ君

 

・大寒や朝一杯の水を飲む

ハーゲンダッツをはじめ、
アイスクリームはこのごろ高級志向なのか、
美味かつ値段もそれなり。
なれど、
されど、
わたしがもっとも愛してやまないのが、
ガリガリ君ソーダ。
袋から出し食べ始めは、
確かにその名のとおりガリガリしますが、
食べているうちに
ガリガリからシャリシャリに変り、
ソーダの味と相まって、
口中、
得も言われぬ透明感に満たされます。
その感覚たるや、
ほとんどセクシャルじみた
法悦境といっても過言ではありません。
ほんとに。
食べ過ぎにご注意!
埼玉県深谷市にある赤城乳業株式会社の氷菓。
いえ、下心はありません。
ウソ。
少しあります。

・凩やビルに挟まれ狂ひけり  野衾

鶏始乳

 

・冬山や弟と吾と二人のみ

七十二候によると、
今週は、
鶏始乳。
にわとり はじめて とやにつく。
とやは鶏小屋。
にわとりが卵を産み始める時節だそうで、
これも、
少しずつ春に向かっている証なのでしょう。
(秋田の父が飼っているにわとりは、
一年中卵を産んでいるようなのだが…)
ひかりちゃん、りなちゃんと秋田に行ったとき、
ふたりとも朝起きして
鶏小屋に走っていったっけ。
懐かしいなぁ。

・祖父と祖母あひだに吾が寝る冬の下  野衾

野に在る

 

・うま渡る大寒越えて野の原へ

図書新聞社長馬渡元喜さんの名司会に導かれ、
京都大学学術出版会の編集長鈴木哲也さん
との「学術書の未来」対談
無事終了。
対談、鼎談、講演を終えていつも思うのは、
あそこは、
もうちょっと上手に話したかったなあ、
ということ。
まったくもってその繰り返し。
でも、
考えてみれば、
そのことによって、
ちょっぴり考えが前へ進むことがあるから、
良しとしなければ
とも思います。
在野精神、野に在るということを申し上げましたが、
一昨年亡くなった長田弘さんの言い方をふまえ、
本ばかりが本じゃない
について
もう少し触れたかった…。
馬渡さん、鈴木さん、
ありがとうございました。

・雪かきを終へし親父の声弾む  野衾

「学術書の未来」対談

 

・ふるさとの無音懐かし淑気かな

『学術書を書く』の書評を書いたことの縁で、
本日、
京都大学学術出版会の編集長鈴木哲也さん
と弊社にて、
「学術書の未来」をテーマに、
トークイベントを行うことになりました。
ご縁そもそものきっかけを作ってくださった
図書新聞の社長馬渡元喜さんが
司会進行役を務めてくださいます。
人文系学部の縮小が叫ばれるなか、
そういう時代であればこそ、
今後、
学術及び学術書はどうなるのか、
どうあるべきかを話し合えればと願っています。
十年、二十年、さらなる先につながる話にしたい。

・ふるさとの息潜ませる淑気かな  野衾

硬いリンゴ

 

・けふはまた晴れ晴れしきや冬の華

食べ物、飲み物の話ばかりで恐縮ですが…。
ヤフーニュースを見ていたら、
青森産のリンゴは硬い
と苦情が寄せられることがあるそうで。
それは、
リンゴが新鮮な証拠だと
もっと知らしめるための努力が必要と地元が奮起している、
みたいな記事がありまして。
なるほどね~。
ところ変われば、か。
と、
急に硬いリンゴが食べたくなり、
スーパーで硬いリンゴを二個買い、
家に帰ってから、
ガシガシいただきました。

・寂しさも五合目辺り蕗の薹  野衾

ホットします

 

・冬の鳶斜めの空を滑り行く

ホットはちみつレモン。
ホットはちみつ牛乳。
お湯を注ぐだけの「はちみつレモン」
もありますが、
レモンはレモンで国産のを買ってきて、
はちみつははちみつで用意し、
カップにレモンの切り身を入れてつぶし、
はちみつを投入、
熱湯を注いで混ぜると
自家製ホットはちみつレモンの出来上がり。
秋田の親も喜んで飲んでましたっけ。
牛乳の方は、
温めるだけでも美味しいですが、
これまた、
はちみつを垂らすと
なんとも美味。
牛乳とはちみつでは、
はちみつが沈殿してしまいますから、
飲む前によく混ぜ合わせることをお忘れなく。
はちみつレモン、
はちみつ牛乳、
いずれもホットします。
お後がよろしいようで…。

・ほころびてほろりほろりの梅日和  野衾