雉子

 

・万葉を懐かしみ鳴く雉子かな

きじ、または、きぎす。
ここ横浜では聴いたことありませんが、
帰省した折、
朝、布団を離れずにいて、
さてそろそろ起きるか、
と、
ケーン、ケーン。
なんとも懐かしい声。
高校時代、
高校の建物があった手形山付近でも
聴いた記憶があります。

・妻哀し三度鳴きたる雉子かな  野衾

立夏

 

・ふるさとへ向かふ車窓の朧なり

いよいよ夏に入りました。
秋田の実家へ向かったのは四月の終わりで、
まだ春。
布団に入り目を閉じ、
蛙の声を聴いているあいだに季節は巡り。
弟は新任教頭先生として忙しく、
しかし元気はつらつ。
父と母は稲の苗への水遣りに余念がありません。
池の魚を狙ってシラサギが舞い降り。
*
弊社は、本日より営業再開です。

・ふるさとや薄紫に煙りをり  野衾

サステイナブル?

 

・住み慣れしあばら家愛し朧月

連休前最後の日記は、
イシバシネタで締めくくろうと思います。
さてイシバシ、
営業で筑波大学へ行ってきました。
その報告の際に、
「K先生は来年一年間サステイナブルでフランスに行かれるそうです」
「ん!?」
「ですからK先生は来年一年間サステイナブルでフランスに行かれるそうです」
「…………。まちがってねーか?」
「何がですか?」
「サステイナブルじゃねーだろ」
「は……!」
「は、じゃねーよ。サバティカルだろ」
「ああ、それそれ、サバティカルサバティカル」
わたしは大笑いしましたが、
そんなことにめげるイシバシではありません。
イシバシのために若干フォローしておくと、
K先生は弊社から、
『サステイナブルな社会を目指して』を上梓しています。
サバティカルとサステイナブルでは、
「サ」しか重なりませんが、
イシバシ的には似ているらしく。
*
弊社は、
明日29日より5月7日まで休業とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

・朧にてあと一日の疲れかな  野衾

咀嚼

 

・この世てふ夢のつづきの桜かな

テレビや本で知ったわけでなく、
唾液は第一の消化薬
と
自分のからだで知ったので、
口に入れるものはとにかくよく噛むようにしています。
たとえばきのう。
近くの定食屋に入ってランチをたのみ、
食べ始めたら新しい客が来て彼もランチを所望。
てか、
その店は昼はランチしかない。
わたしより遅くスタートしたのに
難なく食べ終わり、
勘定を終えて帰ったと思ったら
さらに次の客、
ひげを生やしたおじさんで。
そのころ、
わたしは半分ぐらい平らげていたのですが、
ひげおじさん、
勢いよく食べ始め、
あれよあれよという間に完食、
勘定を済ませて
「どうも。ごちそうさま」
それからさらに五分ほど経過、
わたしはようやく完食にこぎつけた。
アゴ疲れた!

・山一面淡き灯りの桜かな  野衾

日永

 

・永き日の気分ほのぼの何しよか

家人の妹が嫁いだ先が日永家でありまして、
おもしろい苗字だなと思ってきました。
日永は春の季語。
日の短い寒い冬が終わると、
だんだん陽気とあいまって
明るい宵がことのほかありがたく感じられます。
若いころは、
さてきょうはどちら方面へ出向くか、
なんてことを考えましたが、
いまそんなことは全くなく。
それなのに、
そんなときの気分だけは身にのこっていて、
ワクワク感は否めません。

・永き日の遥か山の端見てをりぬ  野衾

銀座木村屋

 

・銀座にてモーニング食ぶ春日かな

教文館に行く用事がありまして、
11時の約束でしたが、
わたしは超のつく方向音痴なので、
早めに家を出たところ、
10時15分には銀座に着いてしまい、
いくらなんでも早すぎますから、
銀座木村屋の二階にてモーニングを所望。
ほどなくイシバシからメール。
「いまどちらですか?」
「だはははは。銀座木村屋にてモーニングだぜ」
新明解国語辞典の「ともかく」の例文に、
「仕事ならともかく、渋谷にはめったに行かない」
というのがありましたが、
その伝でいくと、
「仕事ならともかく、銀座にはめったに行かない」わたしでありました。

・麗らかや気温高そな銀座かな  野衾

日没

 

・春風や入り日山の端燃えに燃え

昇ってしまうとよくわかりませんが、
日の出、日没の太陽は、
山の端との対比から、
ものすごいスピードで現れ、
また消えていきます。
春のあけぼのはたしかにいいですが、
日没もどうしてどうして。
ホーホケホケ
と心細げに鳴いていた鶯が、
このごろやっと
ホー ホケキョ
と、
すばらしい声を聴かせるようになりました。

・鶯も入り日眺めて鳴きにけり  野衾