足裏カイロ

 

・春の空威厳たたへし烏かな

腰に貼るタイプや
ポケットにしのばせるタイプは
これまで愛用してきましたが、
このごろ、
中敷きのように靴に入れるタイプの
足裏カイロを使っています。
足先がぽかぽかして何とも気持ちよく。
手放せません。
いや足放せません。
ちょっと今日は寒なぁと思えば、
駅までの途中にあるコンビニに寄り、
一足分買ってすぐに靴に入れます。
そうすると、
帰宅するまでノー・プロブレム!

・かまやつの空三月に広がれり  野衾

平成の歌

 

・春来たるトンネル抜けて国境

このごろやたらと昭和の歌謡曲を聴いていましたら、
さすがに飽きてきまして、
平成の歌を聴きたくなりました。
さてと。
というわけで、
細野晴臣のHoSoVa。
ゆーーったり、まーーったり。
坂本さんもいいけど、
細野さんだなぁ。

・妹が貯金箱振る春休み  野衾

商いために

 

・サラリーマン自販機睨み春を飲む

編集の仕事に就いて二十八年、
短くない時間を過ごし、
覚えたこともあり、
ひとつひとつを
新しい気持ちでこなすことが難しい
と感じることがあります。
そうなると、
外に刺激を求めたくなりがち。
その志向が
必ずしも悪いとも限りませんけれど、
よくもない。
そんな気がして、
さてどうするかというと、
ひとつひとつをゆーーーーっくり、
じっくりとこなす。
一文字一文字を
舐めるように読む。
そうすると、
根拠のない不思議な味わいが
じんわりと生まれ、
へー、で、ほー。
仕事はつねに目的を持って行われますが、
その過程においては、
目的を忘れることも大事かと。

・日向ぼこまず半日の空き時間  野衾

霞始靆

 

・階段を上りきるまで春よ来い

きょうまでの五日間は、
七十二候でいえば
【霞始靆】
かすみ はじめて たなびく
と読むんですね。
朝夕、山に霞がたなびく頃という意味だそう。
都会では近くに山はありませんが、
かえって想像の連山は大きく立ちはだかります。
ちなみに明日からの五日間は、
【草木萠動】
そうもく めばえ いずる
春もいよいよです。

・弓なりに背を伸ばしきる日向猫  野衾

化学物質過敏症

 

・鉄瓶の口先つんとホーホケキョ

その症状に該当するかどうか定かではありませんが、
とくに、
トイレの芳香剤、
あれは気持ち悪くなり、
ひどいときは吐き気を催します。
オシッコの臭いのほうが
まだマシ
と思ってしまいます。
美醜の感覚同様、
匂いに関しても人それぞれですから、
強く言えませんけれど、
たとえば整髪料、
頭がくらくらするものあり。
整髪料なら
逃げれば済む話。
が、
トイレとなると、
そういうわけにもゆかず、
困ったものです。

・あの曲を先生弾いてよ春よ来い  野衾

和製シナトラ

 

・不興気の野良猫のそり春浅し

歌が始まると、
空間ががらりと変わるそんな歌い手がいます。
フランク・シナトラなど、
その最たるものでしょう。
いまはセットもののCDが安く手に入りますから、
ゴージャスな気分に浸りたいときは、
家でも会社でも
シナトラをかけうっとりしています。
眠くなるのが玉に瑕。
ところで三橋美智也。
ゴージャスとはちがいますが、
哀愁に充ちた昭和の空気感がただよい、
つい聴き惚れてしまいます。
「山の吊り橋」は
春日八郎の大ヒット曲ですが、
これを三橋が歌うと、
山の吊り橋の揺れ具合が、
春日の歌とはまた微妙に違って面白く。
うだッコはいいなぁ!

・習いたて音楽室の早春賦  野衾

うだッコ

 

・光来る山笑ふまであと幾日

秋田では、ものにコをつけてよぶことが多く、
馬っこ、
べごっこ、
わんこ、
ちゃわんこ、
挙げればきりがありません。
歌にもコをつけ、
うだッコ。
このごろテレビは歌番組が多く、
古い歌を新しい歌手が歌ったりもしますが、
むかしの歌手のうだッコに
なかなか敵わないようです。
たとえば全盛期のころの三橋美智也。
本人の歌は子供のころから知っていて、
ずうっと聴いてきました。
先だって、
昭和の歌を三橋が歌っているCDの存在を知り、
さっそく購入、
それを聴くのがいまの楽しみ。
「あざみの歌」
は伊藤久男が本家で、
もちろんすばらしいけれど、
三橋の歌もすばらしく。
「山には山の愁いあり…」
哀愁がたなびき。
うだッコはいいなぁ。

・アネモネの家から洩れるピアノかな  野衾