学問をするとは

 

吉川幸次郎の『「論語」の話』(ちくま学芸文庫)
をおもしろく読みました。
この本は、
1966年8月にNHKラジオで放送されたものが
ベースになっています。
これを読むと、
吉川が学問を、学問することを
どう考えているかがはっきりと分かります。
第22回「最晩年の孔子と孔子伝説」
から。
「人間は生きるためには必ず学問をしなければならない、
書物を読まなければならないという態度、
これは孔子の教えの中で私が最も尊重するものでありますが…」
第27回「終わりに――学問のすすめ」
から。
「孔子が学問として意識いたしますものは過去の人間の経験であります。
それを記載した書物をよく読むということが、孔子の学であります」
話し言葉ということもあり、
歯切れがよく、
分かりやすく味わい深い内容の本でした。
宮城教育大学での斎藤喜博の最終講義のときに語ったという
林竹二のコメントを重ねて思い出しました。
「先人たちに少しでも近づきたいというのが私の学問です」
わたしもそのようでありたいと願います。

 

・爽やかに竹林を抜け風の立つ  野衾