一気呵成

 

依頼された原稿を
粗いものではありますが、
土、日、月の三日間をつかい四千字ほど書き上げました。
だいたい目標の数字です。
へろへろになり、
とくにきのうは一日
アタマがロックしていた。
ひとそれぞれ
書き方はいろいろだと思いますが、
わたしの場合、
与えられた、または自分で設定したテーマについて、
まずは飯を食う間も惜しむ(食いますが)
ように
一気呵成に書き上げます。
てにをはがおかしかったり、
繰り返しがあったり、
ときどき
なにを言わんとしているか
じぶんでも分からなくなったりしますが、
そんなこと
とりあえずおかまいなしに、
どんどん書いていく。
書いて書いて書きまくる。
その勢い、スピードだけを尊重しつつ。
出来上がったものは
とうていひと様に読んでもらえるようなものではなく、
それでも、
こうやって書くと、
どこでじぶんが飾ろうとしているか、
どこで嘘をついているか、
つこうとしているか、
なにがオブセッションとなっているか、
などなど、
ふだんの生活でなかなか気づきにくいことが、
ちょいちょい現れてくる気がします。
心理学でいうところの自動書記みたいなものかもしれません。
その後何度も、
日を措き、場所を変えて
推敲します。
分量にもよりますが、
経験上、
勢いをもって書いたものでない場合、
推敲しているうちに
ひょろひょろ痩せた文になってしまい
読んでいて
なによりじぶんが面白くない。
なのでまずは、
何はなくとも一気呵成。

 

・秋澄みて厨(くりや)の音の高きかな  野衾