2018/11/022018/11/02 読書の味覚 吉川幸次郎の大学時代の恩師が狩野直喜で、 内藤湖南・桑原隲蔵とともに京都支那学の泰斗。 狩野について吉川は、 狩野先生の教え子たちは、 先生の学問についてその理屈は把握できても、 味覚は未だしであると記している。 本を読む、 それも古典を読むのに 味覚があるというのがおもしろい。 こういう、 本読みの達人たちの文に触れると、 その静かな迫力と深さに圧倒され 個性というのがなにほどのものかと思わされてしまう。 ・風を容れ洗濯物の秋高し 野衾