蛇笏発見

 

浩瀚な『新編 飯田蛇笏全句集』
を少しずつ読んでいますが、
むつかしい字、ことばをそのつど調べていると、
それが
万葉集に使われていることがしばしば
であることが分かり、
だけでなく、
これは明らかに万葉集を踏まえているなと
感じさせられる句もあり。
蛇笏句の清新さ伸びやかさ大らかさ
また孤高さは、
万葉の時代に直に触れていくような
そんな気概を感じます。
蛇笏句と万葉集との関連を精査した研究書が
すでにあるかもしれません。
いろいろな俳人の
名句、俳論を読んできて、
それぞれおもしろくもあり
勉強にもなりましたが、
無手勝流に俳句を始めて十年がたち、
蛇笏句をいま集中的に読む時間にめぐまれ、
そのことをとおして、
わたしなりに飯田蛇笏を発見できたような気がします。
万葉集をあらためて
熟読してみたくなりました。

 

・冬の日や舟一隻の浪しずか  野衾