・映画館出でて行き先失へり
萩原朔太郎をナマで知っている人が、
朔太郎は
喜劇俳優のバスター・キートンに似ている
と
どこかで言っていたのを読み、
それならと、
あらためて眼ぎょろりのキートンの
映画をDVDで観、
写真で知っている朔太郎を思い浮かべたら
たしかに似ていました。
草野心平が不在のとき、
朔太郎が草野宅を訪ねてきたことがあったそうです。
奥さんが対応し、
朔太郎はすぐに帰った。
草野が帰宅するや、
奥さんは、
「今日、眼がぎょろりとしたひとが訪ねてきたわよ」
草野はまた、
夢で鴉が後ろ足で立って歩いているのを見、
ああ朔太郎さんだ、
と思ったら目が覚めたのだとか。
ストーン・フェイスのバスター・キートンの
「キー」は、
ぼくにはどうしても
「黄ー」に思えてしまいます。
と思っていたら、
筑摩書房からでている
萩原朔太郎全集の表紙の色は黄色で、
ああやっぱりと、
根拠もなく
ぼくのなかでは合点がいったのでした。
*
図書新聞に論創社から刊行なった
『大菩薩峠【都新聞版】』の書評が掲載されました。
コチラです。
・秋なれば店の娘の懐かしき 野衾