カラス朔太郎

 

・映画館出でて行き先失へり

萩原朔太郎をナマで知っている人が、
朔太郎は
喜劇俳優のバスター・キートンに似ている

どこかで言っていたのを読み、
それならと、
あらためて眼ぎょろりのキートンの
映画をDVDで観、
写真で知っている朔太郎を思い浮かべたら
たしかに似ていました。
草野心平が不在のとき、
朔太郎が草野宅を訪ねてきたことがあったそうです。
奥さんが対応し、
朔太郎はすぐに帰った。
草野が帰宅するや、
奥さんは、
「今日、眼がぎょろりとしたひとが訪ねてきたわよ」
草野はまた、
夢で鴉が後ろ足で立って歩いているのを見、
ああ朔太郎さんだ、
と思ったら目が覚めたのだとか。
ストーン・フェイスのバスター・キートンの
「キー」は、
ぼくにはどうしても
「黄ー」に思えてしまいます。
と思っていたら、
筑摩書房からでている
萩原朔太郎全集の表紙の色は黄色で、
ああやっぱりと、
根拠もなく
ぼくのなかでは合点がいったのでした。

図書新聞に論創社から刊行なった
『大菩薩峠【都新聞版】』の書評が掲載されました。
コチラです。

・秋なれば店の娘の懐かしき  野衾