一献

 

・往き帰り野毛界隈は秋に染《そ》む

社業17期に入りましたので、
社内で一献。
若い人の話を聴きながら、
苦しくても
(って、
そんなには苦しくありませんでしたが。
病気のとき苦しかった!)
編集の濃度を下げずにやってきてよかったと思いました。
むかしならいざ知らず、
出版はけしてもうかる商売ではありません。
が、
出版不況と叫ばれながら、
食べていけない商売でもないというのが、
16年やってきての結論です。
今のところ倒産してないから言えるわけですが。
おカネはそんなに入ってこなくても、
面白いか面白くないか
ということなら、
こんなに面白い商売はないと思います。
とくに春風社は
学術書中心でやっていまして、
ということは、
ライフワークとして研究していることの成果が
本になっている場合が多い。
その内容をじかに読み、
じかに聴き、
自分では体験できない世界に参入することができます。
子どものこころで
本をじっくり読むことと地続きです。
そんなことをつらつら
思っているうちに、
酒も程よくまわっていました。

・秋風や計画したることもあり  野衾