源氏富士

 

・雪よりも白きさざなみ輝けり

昨年から源氏物語がマイブームですが、
この物語、
山で言うなら富士山みたいなものかなとも思います。
原文で読むのは大変ですが、
与謝野訳からはじめていろんな訳が出ていますし、
マンガもあるくらいですから、
話の筋が分かった上でかかれば、
けして読めないことはありません。
いま読んでいるのは、
橋本治『窯変源氏物語』
窯変は、ようへんと読みます。
カマのなかで焼かれて現代風の焼き物となった、
ぐらいの意、こころでしょうか。
光源氏が一人称で延々心理描写を行い、
かったるいところ、
キザなところもありますが、
なにせ傀儡みたいに思ってきた主人公の光源氏に、
ようやくいのちが吹き込まれた観があり、
プルーストの後では尚のこと、
面白く読んでいます。
これが終ったら、
三度目の原文にあたり、
あとはしばらく離れるつもり。
源氏物語を読むことは、
けっきょく日本人としての自分、
自己の古層を読むこととイコールのようです。
千年間、
そうして読み継がれてきたのでしょう。

・初詣いちばんエラソは社長かな?  野衾