卓上カレンダー

 

・手作りのチョコをいっしょにりなぴかな

会社でも家でも卓上カレンダーを使用しています。
前に勤めていた会社の時代から愛用していますから、
もう二十年以上になります。
手帳は毎年自分の好みのものを買いますが、
卓上カレンダーは、
付き合いのある業者からいただいたもので済ませます。
この二十年で大きく変化しました。
かつては、
ひと月ごとに紙のオモテ面にだけ印刷されており、
裏は白かった。
なので、
プラスチック製の透明なケースに入った
十二枚大判のカードが1セットでした。
ところがいつの頃からか、
裏にも印刷され、
1セット六枚のカードになった。
裏白をやめ、
両面印刷にすることで
どれくらいのコスト削減につながったかは分かりません。
卓上カレンダーにまつわる
個人的な変化としては、
かつては、
たとえば今日のような、
月の最終日にくると、
翌日からのスケジュールを先取りし
気負い、
早々に今月のカードを後ろに追いやり、
翌月のカードをセットしたものでした。
心機一転!
ところが、
これもいつの頃からか、
新しい月の新しい日を迎えてから
新しい月のカードをセットするようになりました。
年を重ね、
それでなくても
時が早くたつと感じるのに、
一日早くカレンダーを替えるのは
もったいない気がしているのかもしれません。
明日は明日の風。
一日の苦労は、その日一日だけで十分。
たのしみもまた。
なので、
今日一日は
二月のカレンダーのままです。

・きよろきよろと不審者のごと沈丁花  野衾

からだに貞く

 

・手作りのチョコを届けにりなぴかな

自宅での朝の気功を再開しました。
ギックリ腰をやってからしばらく休んでいましたので。
やはり体にいいようです。
再開してみて気づいたのですが、
ギックリ腰が治ってからも、
どうも知らず知らず腰を庇っていたらしく。
たとえばトイレの便器に座るとき、
なるべく腰を曲げないように
足首と膝をうまくつかうとか。
そうして一日を過ごし、
一晩寝て起きると、
腰を中心にして
体全体が固まっているのが分かります。
気功をすることでその塊がほぐれていきます。
自分の体にきいてみるのが先決かと。
野口三千三さんの本に
『野口体操からだに貞(き)く』がありますが、
この「貞」の文字、
白川静さんによれば「鼑」(画面でははっきり見えませんが、
「鼎」の文字の「目」の上に「卜」がくっついた字)が正字で、
鼎(かなえ)をもって卜(ぼく)する意味なのだとか。
具体的なやり方はともかく、
占いの方法であることは疑いないようです。
ですから、
「貞く」と書いて「きく」と読ませ、
まずは体に貞いてみるということにもなるでしょうか。

・ケータイに大雪だよと父言へり  野衾

天せいろ

 

・ホッカイロ春は名のみの風吹きぬ

昼、天せいろをいただきました。
冷たい蕎麦に揚げたて熱々の天ぷら。
注文のとき、
つゆは温かいものにしますか冷たいものにしますかと訊かれ、
温かいもので、とお願いしました。
それで、
美味しくいただいたはいただいたのですが、
後から、
ふと、
あれでよかったのだろうかと疑問がもたげてきました。
つゆを
温かいものにするか冷たいものにするかを訊く
ということは、
どちらでも好みによってということなのでしょう。
せいろだけなら冷たいつゆがあたりまえ。
天ぷらが付いてくるのでパブロフの犬よろしく
温かいつゆにしたのですが、
せいろに重きを置く場合、
冷たいつゆを所望するべきだったのではないかしら。
でもそうすると、
せっかく揚げたて熱々の天ぷらを、
冷たいつゆにつけて食べることになってしまう…。
それはそれで問題。
さて他の人はどうしているのだろう。
一番いいのは、
温かいつゆと冷たいつゆの両方たのめばいいのですが、
さすがにそれは、わがままかもしれない。
たのまなくても、
両方付けてくれるところはあるのかないのか。
地下鉄の電車を
どこから地下に入れたかを思うときほど悩ましい問題です。

・手紙には早春の候と起筆せり  野衾

罪と罰

 

・早春賦光り溢れる廊下かな

真摯で異色で感動の漫画『東京都北区赤羽』がブレイク
(現在8巻まで刊行中)した清野とおるさんが
ご自身のブログで紹介していたので、
罪と罰』(1~3)をさっそく購入。
著者は、漫F画太郎。
原作は、ドストエフスキー。
Fとエフのみ共通。
読んでみました。
タイトルはドストエフスキーと同じですが、
中身はまったく異なります。
名前と職業が重なる登場人物は出てきます。
原作にインスパイアされた、
といったところでしょうか。
そうとう妖しい。
かつ、究極のエロ。
また、究極のグロ。
絵が、
かつての日本国有鉄道の便所の落書きを彷彿とさせ。
ところが、
下の写真で見るとおり、
表紙カバーの絵は
本文の絵のタッチとはまったく異なり、きれい。
しかも3巻ともタッチが違う。
表紙カバーの絵に関してだけですが。
どうも、
ほかの漫画家さんの絵をパク、
いや、
いただいているような雰囲気なのです。
そうとうに妖しい。
でも。
でも。
きのう一日、
朝から橋本治の
『窯変 源氏物語』を読んで疲れていた頭が、
漫F画太郎の『罪と罰』を読んだらスッキリ、
シャッキリした。
しました。
面白いかといえば、
ちょっと疑問ですが、
頭がスッキリ、シャッキリしたことは事実。
これはこれで凄いことではないか!
面白いよりも凄くないか。
だって、
体に反応が出たんだから。
ツベルクリン反応みたく。
というわけで、
ソファで横になり読書していた家人に見せたところ、
パラパラパラっと。
十秒でハネられました。
まったく受け付けないようです。
わたしは受け付けます。
頭で泣くからだが。
いや、
頭でなく体が。
一見デタラメとも思える話の展開に、
激しく共感します。
まさに破壊的。
次巻が楽しみ!

・先生のピアノに合わせ早春賦  野衾

旅する対話

 

・懐かしきイガのしょがらでまま食べれ

間もなく『旅する対話――ディアスポラ・戦争・再生』という本が刊行されます。
著者は、
亡命チェチェン人女性ジャーナリストで、
チェチェン共和国・元外務省報道官のザーラ・イマーエワさん。
それと在日韓国人作家の姜信子(きょう・のぶこ)さん。
プロフィールからもうかがい知れますが、
お二人は、
歴史的な民族離散(=ディアスポラ)を体現されている方です。
そのお二人が、
ディアスポラ、戦争と平和について
これまで対話を繰り返してきました。
その真摯で熱い記録の本です。
ディアスポラ(=故郷喪失)といい、
戦争といい、
過去の記憶ではけっしてなく、
いままさに日本の国土で起きている問題です。
原子力発電を、
「ゆっくりした戦争」と評した識者もいました。
現在進行形の問題でありながら、
知らされていない事実はたくさんあります。
3.11後の状況を考えてみれば、
そのことは一目瞭然のテーマのはず。
具体的な問題が
普遍的なテーマとリンクしています。
本の刊行に先立ち、
明日、
ザーラ・イマーエワさんを迎えてのイベントが開催されます。
場所は、大妻女子大学。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
詳細はコチラ
(2・23とは、1944年、ソ連によりチェチェン人25万人が強制移住させられた日)

・軒先の白梅空に笑ひけり  野衾

墓へ行く?

 

・青々と春山を恋ふ祖母を見ゆ

秋田のしょうこさんから、
その後、
しょうこさんからもらったという
なるちゃんからもメールをいただきました。
このブログで波座(なぐら)物産の
「昔ながらの濃厚熟成塩辛」を紹介したことがきっかけで、
しょうこさんが「昔ながら~」を
ネットで求めたのだそうです。
「うんめぇ~!!!」と記されていました。
よほど美味しかったようです。
わたしの「絶賛」は「本物だ」とも。
秋田では、
イカの塩辛のことを、
「イガのしょがら」といいます。
わたしはどちらかというと、
というか百パーセント、
褒められて育ちたいタイプですから、
褒められることは、
嫌いではありません。
大好き。
なので、
二人のメールは、とてもうれしかった。
メールの最後に、
「まま、はがいぐなぁ~」
うれしいメールの内容を家人に伝えたところ、
「墓へ行くって?」
なるほど。
音で聴くと、そうも聴こえるか。
いえいえ、そうではありません。
秋田で「まま」といえば、ご飯のこと。
「はがいぐ」とは、はかどること。
したがって、
「まま、はがいぐなぁ~」は、
ご飯がとっても進むなぁ~ということ。
ちなみにわたしの父の名前は進。すすむ。
父もイカが大好き。
わたしも昨日、
「昔ながら~」を晩の食卓で食べました。
ままがとってもはがいぎました。

・山笑ひ祖母笑ひして日が暮れぬ  野衾

ハリネズミ

 

・白梅や寒さ変らず日を重ぬ

朝、自宅マンションから階段を下り、
ゴミ集積所の角を右へ、
保土ヶ谷橋の交差点に向かいます。
毎日のことなので、
交差点の遥か手前から、
クルマの行き交いで信号の順番が推し測れます。
きのうのことです。
金色のダウンコートを身にまとったおばさんが
わたしの数歩先を歩いていました。
小柄なおばさんで、
Sサイズ(であろう)のコートもたっぷりと、
ふくふく温かそう。
足先が二つ、
ちょこんとコートからはみだし、
ちょこちょこと歩きます。
と、
突然、
おばさん、駆け出した。
クルマの流れが変ったのです。
おばさん、速い速い! ピュ~~~~!!!
足の回転が見えないぐらい。
ダウンコートに
ターボエンジンでも付いているのか、
スーッと滑って
見る間に目の前からいなくなりました。
まるでハリネズミのごとく。
呆気にとられました。
わたしが交差点に差しかかり、
赤信号で足止めを食らったとき、
金色ダウンのおばさんは
とっくに信号を渡り遥か前方、
中華堂の辺りを静かに歩いていました。

・人間の音を掻き消し雪が降る  野衾

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