酔う

 

・ダニ食ふて壁に張り付く冬日かな

食事のとき、
いっしょに少しだけ酒を嘗めると、
美味しい。
若いときは、
少しだけにとどまることなく、
飲んで酔うことが目的のように乱暴に飲んでいました。
呑んで酩酊した果てに、
何かあるような気がしましたが、
気がしただけで、
なにもありませんでした。
鏡に向かっても、
酔っ払った自得の顔に、
真理のかけらは見えません。
見たのは、
ガニマタオヤジの〈 〉だけ。
でも翌日の夕方になるとやっぱりなにかある気がして、
勇んで泥のなかを泳ぐ具合。
ちょっぴりなつかしくありますが、
自慢できることではありません。
自堕落。
からだに、
あのころのことを忘れてしまえと願うのみ。
先日、
中条省平さんにお目にかかったとき、
すてきなワインの飲み方を教わったので、
きのうさっそく試し、
すこし嘗めてみました。
美味しかった。

・夢に見た劇団員の疎ましさ  野衾