Archives : 12月, 2010

新文化

 

 山眠り子等の声して眼閉づ

業界紙「新文化」に
『父のふるさと 秋田往来』が紹介されました。
書いてくださったのは、冨田薫さん。
薫と書いて「たぎる」と読みます。
10月に秋田で行われた読書推進フォーラムに車で駆けつけ、
その日のうちに東京に帰り記事を書いてくれたのも彼です。
情熱を持って仕事に取り組んでおられます。
電子書籍元年と騒がれ、
浮き足立った感のある出版界ですが、
個人的には、
自分の足場を固めることの大切さを感じた年でもありました。
弊社は、明日から来年1月5日までが冬休み。
6日から通常業務となります。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 貝の足ぬたりぬらりと年惜しむ

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ある決心

 

 悴みて箸につるりとナメコ汁

「お客さまが現在ご利用中のケータイ電話は、
2012年7月までに切替予定の新たな周波数ではご利用が出来なくなります」
という案内が届き、
これを機に機種変更をしてきました。
ポイントが溜まっていたので、
それを使い、現金は無くて済みました。
前のに比べると、いろんな機能が充実しており、
特に、方向音痴のわたしには、
ナビウォークという垂涎の機能も付加されていましたが、
我慢して使わないようにしようと思います。
方向音痴と物忘れの激しさは、
大げさに言えば、
わたしという人間の根幹に関わる問題だからです。
十代で彼女にふられたとき、
公衆電話の台に買ったばかりの裾上げしたズボンを忘れ、
忘れたことに気づいて急いで戻ったときには最早そこに無く、
とぼとぼ歩いたあのときの気分は、
きっと何かの肥やしになって、
その後のわたしを形成したような気がします。
なので、
便利さの象徴であるケータイ電話を、
ケータイ電話の便利な機能を、
なるべく使わないようにしようと決心しました。

 冬の雲人嫌いしてカフカかな

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年賀状

 

 下手なりに味があればの年賀状

この時期の一番の仕事は年賀状書きです。
年賀状を虚礼と呼ぶ向きもあるようですが、
そんなふうに考えたことがありません。
今年も、
矢萩多聞さんに頼み、
多聞さんの素敵な絵をあしらい、
彼がデザインしてくれた葉書が出来てきました。
そのたたずまいを見、
ほうと、ため息が出ます。
何も書かずに額に入れ飾っておきたくなります。
宛名だけ書き、
そのまま送ったほうがいいかも、
という気にもなります。
でも、やっぱり、
ふだん忙しさにかまけ、
ゆっくり思い浮かべずにきた方々を
邪念なく思い浮かべ一言でも言葉を記したい。
奥邃(おうすい)の言葉に、
「譬えば此に友十人ありとせん。
我れ静黙以て日に其一人を胸裏に特愛し、十日にして全部に及ぶ」
があります。

 息をつめ年賀状を書きにけり

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手帳バンド

 

 梟の瞬きの間の二千年

手帳の使い方は、
人それぞれでしょうが、
このごろ手帳に紙を挟むことが多くなり、
そうすると、
かばんの中で落ちてしまうこともあって、
輪ゴムで留めたりしていたのですが、
いかにも貧乏臭く、
家人に何かないかと話したら、
職場の近くの文房具店で見つけたとかで、
手帳バンドなるものを買ってきました。
太くて見栄えが好く、
バシッと押えが利くのでなかなかの優れもの。
これなら貧乏臭くないでしょう。
日用品の小道具で気に入ったのがあると、
うれしくなります。
そういえば、
祖母の手首にはいつも輪ゴムが数本留めてありました。
いつもしているので、
輪ゴムの痕が手首にくっきりと残っていました。
ところで、
祖母が手首から輪ゴムを取って使った場面を記憶していません。

 しもやけの夜を祭りしゴロスケホー

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朝のコーヒー

 

 藪払ひ藪払ひして年の暮れ

朝起きたら、健康のために、
まず六〇〇ccの水を飲むことを習慣にしていましたが、
それを止めコーヒーに換えました。
水を飲むことの効用の一つに
便通の促しがあったわけですが、
コーヒーにもそれがあることを体で知ったからです。
一日二食健康法の考え方では、
朝食を抜いて胃腸を休ませますが、
便通を促すためには何らかの刺激が必要です。
一日二食健康法に限らず、
健康法にはそれぞれいいところがあり、
提唱者の並々ならぬ思いの丈が籠められているようですが、
自分に都合のいいように解釈し改変して行っています。
それでいいのだ。

 精神のねぐらに雪の降りしきる

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。