年賀状

 

 下手なりに味があればの年賀状

この時期の一番の仕事は年賀状書きです。
年賀状を虚礼と呼ぶ向きもあるようですが、
そんなふうに考えたことがありません。
今年も、
矢萩多聞さんに頼み、
多聞さんの素敵な絵をあしらい、
彼がデザインしてくれた葉書が出来てきました。
そのたたずまいを見、
ほうと、ため息が出ます。
何も書かずに額に入れ飾っておきたくなります。
宛名だけ書き、
そのまま送ったほうがいいかも、
という気にもなります。
でも、やっぱり、
ふだん忙しさにかまけ、
ゆっくり思い浮かべずにきた方々を
邪念なく思い浮かべ一言でも言葉を記したい。
奥邃(おうすい)の言葉に、
「譬えば此に友十人ありとせん。
我れ静黙以て日に其一人を胸裏に特愛し、十日にして全部に及ぶ」
があります。

 息をつめ年賀状を書きにけり

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