努力

 

 咳を避け電車うろうろ怪しかり

風邪が流行っています。
気をつけていても、
罹るときは罹ります。
でも、
なるべくなら、
できることなら、
罹りたくありません。
なので、
たとえば電車に乗って、
咳をしている人の側へは近寄らないようにしています。
ところが、
なかなか思うようにゆかない場合もあります。
小田急線の桜ヶ丘駅に向かっていたときのことです。
あっちでゴホン、
こっちでもゴホンとやっていたので、
それを避け、
恐る恐る咳をしていない人の隣に座りました。
だいじょうぶかな?
咳はしません。
わたしはカバンからおもむろに文庫本をだし、
読み始めました。
数行読んだ頃、隣の男性が、
ゴホン、ゴホン、深いところから二度咳をしました。
わたしは息を止めました。
でも、
すぐに立ち上がるのは、さすがにはばかられ、
ギリギリまで息を止め続けました。
目の前がだんだん黒くなっていきます。
もうダメ! 無理!
というところで席を立ち、
わたしはドアのところまで歩を進め、
ドアの上に貼ってある地図を見る振りをしました。
桜ヶ丘駅で降り深呼吸をし、
しばらくホームのベンチで休んでから、
目的地へ向かいました。
努力の甲斐あってか、
今のところ風邪を引いていません。
さて、
昨年末、秋田県の広報課から依頼された原稿が
県の広報誌「秋田で元気に!」に掲載されました。
リンクを張りましたので、
よかったら見てください。

*下のかわいい猫の写真は、ひかりちゃん提供。

 休日も寒さ堪えてゲラを読み

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五年目

 

 静けさや気功と揺れる冬の月

体調不良をきっかけに始めた気功が、
間もなく五年目に入ります。
二〇〇七年二月一日が開始日でした。
当初、朝晩二回三五分ずつ、
会社でも休憩時間ベランダにでて体を揺らしていましたが、
今は朝だけ続けています。
この間、一日も休んでいませんから、
三六五日×四年=一四六〇日が経過したことになります。
おかげで健康を回復し、
日々口に入れるものも
美味しくいただけるようになりました。
また二冊の自著を出せたことも、
気功によって少しずつ変化した
体の感覚と無関係ではなさそうです。
近所のひかりちゃんりなちゃんのママは、
知り合いのママさんたちと週一、
近くの公園で継続していますが、
持病の頭痛や腰痛が治ったと喜ばれているそうです。
参加メンバーも増えているのだとか。
背骨ゆらゆら健康法』を参考に、
あなたも始めてみませんか?
今日は、ちょっと宣伝をさせていただきました。

 この香り鼻をひくひくヒヤシンス

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睦子さんのこと

 

 一月も残り五日となりにけり

先日温美さんといっしょに訪ねてきてくれた睦子さんは、
中学一年の同級生。席が隣同士でした。
あの頃、
我が井川中学校は、
「主体的学習」のスローガンの下、
成果を上げるべく、
先生も生徒も熱心に教育実践に取り組んでいました。
授業が始まる前、
グループごとにたたみ半畳ぐらいの大きさのボードに、
予習してきたことの内容を書いたり、
ノートの使い方まで決められていました。
ノートは、予習で一ページ、授業で一ページ使います。
予習したことが一ページに収まらないときはどうするか?
別の用紙に書いて、ノリで貼ります。
あるとき、
わたしは頑張って予習し、
先生が回ってきたのに合わせノートを開き、
パタパタパタとそのページを伸ばして見せました。
たしか国語だったと思います。
先生は、「お!」と言って、バン!とハンコを捺してくれます。
そんなことでも、うれしくて、勉強に精が出ました。
授業の終りにまた課題(「宿題」と言わずに「課題」と言っていました)
が出ました。
先生に褒められたことで気をよくし、
次の国語の授業でわたしは、
四枚の追加ページを貼ったノートを開きました。
先生は、また「お!」と言ってハンコを捺してくれました。
すると、隣の席の睦子さんがおもむろにノートを開き、
パタパタパタパタパタ。
なんと五枚の追加ページが貼ってあるではありませんか。
先生、「おお!!」
むむ。ぐやぢ~!! 競争心に火がつきました。
次の授業に、
わたしは七枚の追加ページを貼って臨みました。
睦子さんは六枚でした。
むふふふふ。どうだ!
ところが、その次の授業で睦子さんのノートには、
大台の十枚の追加ページが貼ってあり、
伸ばすと相当な長さになって、
クラス中がやんやの大騒ぎになりました。
わたしの闘争心はさらに燃え上がり、
次の授業に、十二枚の追加ページを貼って臨みました。
これは相当です。
脂汗を掻きながら、
パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ。
「少し、字がでかぐねーが?」と先生。
ハッとするわたし。
ページをかせぐために無意識のうちに、
字が少々でかくなってしまったようです。
それからは、字がでかくならないように気をつけ、
予習したことを書き、
最長十六枚の紙を貼ったことがありました。
睦子さんといえば、
いつもそのことを思い出します。
正直、疲れました。睦子さんもきっとそうだったと思います。
あれって、身になっていたんですかね~。
一年が終ってブワブワに嵩張ったあのノート、
どうしたのだったか、さっぱり覚えていません。

 寒々と出版統計眺めをり

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無駄物買い 2

 

 マフラーを忘れ空気が棘と刺す

天体望遠鏡の次に無駄だったなあと思い出すのは、
リンガフォンの英語教材。
Q.B.B.風に言うなら「一生で一番ダサイ季節」の
中学時代だったと思います。
カセットテープ十本ぐらいとテキストが数冊、
値段は忘れてしまいましたが、
相当高かった気がします。
これでおいらも英語がペラペ~ラと話せるのか~、
金髪のおねーさんとも恥ずかしがらずに会話を楽しめるのか~、
なんて妄想しました。
周りに金髪のおねーさんなどいるはずもなく、
バリバリ黒髪の女生徒ばかりだったのに。
それはともかく、
カセットテープ十本のうち、
最初の一本ぐらいはやったんでしたかね。
覚えているのは、
税関で質問されるという
「ドゥー・ユー・ハヴ・エニシング・トゥ・ディクレア」
ぐらいです。
それをアメリカ人が言うと、
「ドゥー・ユー・ハヴ・エニシング・トゥ・ディクレア」
とは聞こえず、
「ドゥー・ユー・ハバニシングタディクレア」
と聞こえる。
だから、それを一生懸命覚えましたが、
外国旅行に行ったのは大学を出てだいぶ経ってから、
税関でもそんなこと訊かれませんでした。
ちゃんと最後まで勉強していれば、
何か一つぐらい役に立つことがあったかもしれませんが、
だいたいわたしは語学のセンスがなく、
結局途中で、
リンガフォンの英語教材を投げ出してしまいました。
語学のセンスがないことに気づくまでには、
もうしばらく要しましたけれど…。

 寒空に見とれ首筋違えけり

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快挙

 

 念校を出して閑あり春を待つ

ここによく登場する近所のりなちゃんは、
先ごろ、おねえちゃんといっしょに、
カルタ大会に出場しました。
一回戦は十四枚差で勝ち、
順当に駒を進め三回戦へ。
りなちゃんは一枚差で勝利!
が、あとの二人が惜しくも負けてしまい優勝はならず。
残念!
そのことを、
おねえちゃんのケータイから
メールで知らせてくれました。
小っちゃな物が動いているので、
メガネを外してよく見たら、
パンダやウサギが飛び跳ねていました。
元気をもらいました。
もう一つ。
わたしが編集した『おばあちゃん!世界遺産を行く』
の著者・外川洋子さんへの取材記事が、
毎日新聞の千葉版に掲載されました。
外川さんは、
以前ウチから『おばさん!辺境を行く』を上梓し、
今回二冊目になります。
現在七七歳ですが、
精力的に世界を旅し、文章を書いています。
旅も文章を書くことも愉しくてしょうがなく、
歳のことを考えている暇はないとおっしゃいます。
こちらも快挙。

 カルタ会快挙を告げる初メール

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無駄物買い

 

 あぶねえあぶねえ何がそんなに冬の駅

これまで、多くの無駄物を買ってきました。
多くありすぎるわけですが、
一番古いのは、
天体望遠鏡ですかね。
小学校の高学年じゃなかったでしょうか。
正月のお年玉がけっこうな額になって、
おばあちゃんを誘って秋田市に買いに行きました。
細い筒のタイプではなく、
太い筒の短めのタイプで、
それがとてもかっこよく見えました。
宇宙の馬頭星雲とか、
もうなんでも見えるかと思ったら、
宇宙どころか、月をめがけて覗くと、
月の○がでっかくなるだけで、
クレーターが見えるわけでもなく、
だから面白くもなんともなく、
遠くの山に向けて覗いたりして、
そのうちに飽きてしまい、
縁側の隅に置き忘れられ埃を被ってしまいました。
あれが無駄物買いの初めだった気がします。

 ジーといふエアコン相手に管を巻く

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そういう季節 2

 

 冬の午後新聞ベッドの心地よさ

QBB(久住昌之・久住卓也)の『中学生日記』に、
中学生の男子が素っ裸で便器に向かい
オシッコをしている図があります。
これも納得。
たとえば、
風呂に入ろうとして脱衣場で服を脱ぎ、
さあ風呂に入ろうとしたその時、
ん、
その前にちょっとトイレに行きたくなった、
なんてことはないでしょうか?
服を着なおすのは面倒だし、
家族も出かけていて居るのは自分一人だし、
というようなシチュエーションにおいて、
ま、いっか、と、
裸でトイレまでトコトコ歩いていって用を足す。
これも、
相当の数の人が経験していることではないでしょうか?
ゴーゴリの『死せる魂』のなかに、
「人間は一人になると、何をしでかすか分からない」
という言葉が確かあったような。

 新幹線テロップ流れる寒さかな

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