連想

 

 晴れ晴れとビルの谷間の余寒かな

テラチーが今編集している本で、
『インカ帝国の成立』という大部のものがあります。
内容がすばらしく、
仕事ではあっても、テラチーはワクワクしながら読み、
編集しています。苦しいだけの仕事は長続きしません。
書店に案内するチラシが、
テラチーのパソコン台の上にありました。
インカ帝国の成立、と横文字で記され、
その横にピラミッドのような建造物の絵があしらわれています。
それをジッと見ていたら、どういうわけか、
内容とは関係なく、ピラミッドの角がとれ、
ほんわかと渦を巻いた粘着質の物体に変貌し、
あ! まずい。まずい。この流れはまずい! と思いつつ、
インカの「イ」の字が「ウ」に、
インカの「カ」の字が「コ」に、
うにゅうにゅと形を変えていきます。
こういう不届きな子どもじみた連想がときどき起こります。
連想はさらに成田為三に飛び火しました。
成田為三は秋田県出身の有名な作曲家です。
「浜辺の歌」などを作りました。
わたしは成田為三という人を知って以来、
変な名前だなー、と思ってきました。
「為」と書いて「ため」と読みます。ためぞう。
ためぞう、ためぞう、と口で繰り返しているうちに、
不意に「成田ウンコ貯めぞう」が口を突いて出ました。
わたしは単にウンコが好きなだけかもしれません。
成田為三の名前を見ると、必ずウンコを連想し、
ウンコを思うと逆に成田為三に思考が及びます。
それからわたしは、小声で「あし~た~ は~ま~べ~を」
などと歌ったりもしました。
しているうちに、むらむらと童謡が聴きたくなり、
アマゾンで調べて、四枚セットのCDを買いました。

 乗り換えのホームを掃いて春の風

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