天才ぶり発揮

 ほおたるやおまえひかるはなんのため
 ジャズを聴き始めて30年になります。最初に買ったレコードは、忘れもしません。Herbie Hancock V.S.O.P.
 雑誌ですごく褒められていたので、それに、ジャケットがカッコ良かったので、買いました。
 プレーヤーに乗せました。さて、ジャズってのはどんな音楽かいな。舌舐めずりして待ちました。聞こえてきたのは、プワ〜、ピヤ〜、ドコドコドコドコドン、ピャ〜、ジャ〜ン、バシッ!、プワ〜、っと、なんぼ聴いても、おんなじです。お化けが出る前の効果音みたいな音が延々つづきます。
 まいりました。おらには、おらみたいな田舎モンには、ジャズみてーな高級音楽はわがんねえ。そかそか。そういうことか。三橋美智也でも聴いてっぺ。まぁ、奈落の底へ突き落とされたような、そんな気分だったわけです。
 あれから30年。く〜。聞くも涙、語るも涙。ず〜っとジャズ(ばかりではありませんが)を聴いてきて、今ならわかります。Herbie Hancock V.S.O.P.も肩肘張らずに、無理なく、音楽として楽しめるようになりました。30年ですよ30年!
 前置きが長くなりました。(わたしの話、このごろ前置きが長い。自分でもわかってはいます)天才りなちゃんのことです。
 先日遊びに来たことは昨日もここに書きましたが、写真にあるようにカラコロツリーで遊んでいる時でした。
「ねぇねぇ、みうらさん(語尾がちょっと上がります)。いまかかっている曲は?」「ん!?」「ほら。このピアノ」「ああ、これね。キース・ジャレットのケルン・コンサート」「メモしておかなくちゃ」と、りなちゃん、可愛いショルダーバッグからこれまた可愛いメモ帳を取り出して、キース・ジャレットとメモしています。
 小学1年生がキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」に反応するかね。反応するんですね。まいりました。おら30年も聴いてきてやっとこのごろ…。いや、泣き言は言うまい。りなちゃんはりなちゃん。おいらはおいら。
 りなちゃんに言わせると、ジャズの音というのは跳ねるんだそうです。とほほ…
 あたま掻き梅雨までしぼる痒さかな

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