箱入りの本

 雷や見上ぐ子らの眼正しかり
 箱入りの本というのがあります。辞書や歳時記なんかがそうです。
 さて、こうした本、皆さんは、どういう向きで箱に入れますか。
 わたしはずっと、買ったときの状態で、本の背文字が見えるように、小口側を箱の奥に入れていました。
 ところが数年前、わが社の編集長ナイトウが愛用する辞書を見たら、まったく逆の状態で箱に入っていました。
 へ〜、こんな風にいつも入れているの? ええ、取り出しやすいですから。とのことでした。
 なるほど、頻繁に出し入れする本は、たしかにこのほうが理に適っているかもしれません。そして、もうひとつ、この入れ方の最大の利点は、ページの端がめくれてこないことです。
 背文字が見えるような入れ方では、箱に入れるとき、どうしてもページの端が箱にぶつかり、とくに辞書など、使っているうちにページの端がめくれてきます。それが高じて、辞書全体が歪んできます。戻すのに大苦労。その点、逆向きに入れれば、ページのめくれはほとんどありません。
 というわけで、辞書も歳時記もこのごろは、小口側が見えるように箱にしまいます。

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