地球異変

 

 葉桜を見上げ倒れし土竜かな

『龍の星霜 異端の劇作家 青江舜二郎』を上梓した、
映画作家・大嶋拓氏の公式サイト「タクラマネット」のブログに、
モグラの写真が掲載されていて、ギョッとしました。
四十八年生きてきて、
モグラを目の当たりにしたのは初めてとのこと。
氏も危惧する如く、
地球環境の異変を察知したモグラが、
本来、生を全うするはずの住み慣れた土中と別れ、
見えない眼でひたすら突き進んだ先の宙に腹を晒したのだと、
思えてなりません。
*
GW期間中、秋田へ帰ったら、
地元紙「秋田さきがけ新報」に拙稿が掲載されていました。

 住み慣れし土を逃れし土竜かな

110414_1236~01

蛇を食う猫

 

 山菜の神に抱かれ祖母笑ふ

五月は山菜のシーズンです。
年のいった人は、
今年が最後の山菜採りになるかもしれぬと感じながら、
山へ入るようです。
アイコ、シドケ、たらの芽、コゴミ、
山のめぐみを今年もいただきました。
父の運転する車での帰宅途中、
白と黒の斑のある猫が、
道の真ん中で蛇を頭から食っていました。
蛇の体が半分まだ残っています。
飼い猫が野生化したのでしょうか。
キッとこちらを見たときの猫の眼の鋭さは、
たとえようもありません。
シャッターチャンスでしたが、
残念ながら、
カメラもケータイも持っていませんでした。
*
写真は、秋田県大潟村「菜の花ロード」

 大き鳥わっしわっしの五月かな

110506_1015~02

バウムクーヘン

 

 連休を終へて来年計画す

今回、久しぶりに夜行バスで帰省しました。
おみやげは、横浜そごうで買ったバウムクーヘン。
名前を忘れましたが、人気の商品です。
実家のすぐ側の正紀(まさのり)叔父さん宅へも渡しました。
翌日、
孫の陽(よう)君とおばさんが、
おみやげのお礼を言いに改めてやって来ました。
前日は仕事中のおばさんに渡しただけでしたので。
おばさんがバウムクーヘンを切ろうとしたところ、
陽君は、
東京のおじちゃん(わたしのことです)が買ってきた
大事なおみやげだから、
1センチでいいよと言ったそうです。
買って帰ったわたしとしては、
こんなに嬉しいことはありません。
陽君は今、幼稚園の年長さんです。
今年二番目の弟・皓(こう)君が生れました。
すぐ下の弟は創君。
陽、創、皓。三人とも十二画。
三浦の姓には十二画がふさわしい。
その翌日、
また陽君とおばさんがやって来ました。
おばさん曰く、
正紀叔父さんが、
家族のいないときにバウムクーヘンの端を食べたところ、
美味しくて、つい止められず、
一本まるごと食べてしまったのだそうです。
それを知ったおばさんの怒り、推して知るべし!
孫が1センチずつ食べているものを、
箱に二本しか入っていないバウムクーヘンの一本を、
丸ごと食うということがあるものか、
しかもふだん糖尿病で薬を飲んでいる身ではないか。
おばさんは悔しくて、
その夜、なかなか寝付けなかったのだとか。
叔父さんの名誉のために書き加えると、
一本丸ごとといっても、
茶筒のような一本ではなく、
四分の一にカットされた形の一本ですから、
食って食えない量ではありません。
でも確かに、一本丸ごとは多い!
よほど口に合ったのでしょう。

 菜の花や山の麓へつづきをり

110506_1012~02

N君

 

 首じっとり狂った空の暑さかな

春風社で仕事をし、
だんだんとデザインのほうに興味を持ち、
その方面の勉強をするために会社を辞めたN君が、
勤めていた会社を今年二月に辞し、
独立しました。
そのN君が昨日、あいさつに来てくれました。
ひと目見て、
たくましくなったなあと思いました。
なによりも、
古巣を忘れず、戻ってきてくれたことが嬉しく、
これからまたいっしょに仕事ができそうです。
N君が春風社で働くようになったそもそものきっかけは、
『新井奥邃著作集』でした。
新井奥邃に興味を持ったN君は、
卒論のテーマに奥邃を取り上げ、
それが中沢新一先生との縁を結んでくれました。
無理して会わずとも、
縁のある人には会うのだと感じた時間でした。

 半減期クジラ悲しも春の海

110414_1231~010001

先生とドア

 

 花びらの階段の隅に寄りてあり

先生とドアの関係について書くわけではありませんで、
本のタイトルの頭をつなぐとこうなります。
『先生、いのちのことを教えて』と『ドアの映画史』。
なので、先生とドア。
いま、これが売れています。
『先生~』のほうは、
おそらく著者が、
講演の中で本に触れてくださった影響かと思われます。
銃殺刑の場面に立たされ、
九死に一生を得た引地先生だからこそ、
いのちについて、
圧倒的に深く迫力あるお話ができるのかもしれません。
『ドア~』のほうの売れ行き好調の理由が、
いまいち分かりません。
いい内容の本であることは間違いありませんが、
それで売れるほど甘くない。
タイトルが好かったのか、
装丁が好かったのか、
価格がお手ごろだったのか、
それらのコングロマリットなのか…。
先生とドア、
いずれも安くて美味しい、
もとい、安くて面白い本です。
*
写真は、まるちゃん提供。

 朧にて空にぽっかり祖母の顔

110419_1449~00020001

過客

 

 蕎麦屋にてふるさとの味バッキャかな

日曜日、港の見える丘公園にあるゲーテ座にて、
ピアノの発表会がありました。
ひかりちゃんは、
「テルーの歌」「アメイジング・グレイス」の独唱、
りなちゃんは、
ブルグミュラー「貴婦人の乗馬」と「哀しい戦士」のピアノ演奏。
二年に一度の発表会で、
二年前も見に行きましたが、
ついこの間のように思えるのに、
いつものことながら、
月日の経つ速さに驚かされます。
帰りはひかりなちゃんご家族と焼き鳥屋へ。
クーちゃんとブーちゃんは、りなちゃんのお気に入り。
クーちゃんはクマ、ブーちゃんはブタ。
クーちゃんとブーちゃんは、
とても仲良しなので、
いつもけんかをしています。
休むときもいっしょのクーちゃんとブーちゃんでした。

 先生とつゝじ見ながら散歩かな

110423_1912~010001

静けさは

 

 行く春をスーちゃん一人上りけり

マンションの総会もありましたが、
それ以外は家にこもって本を読んでいました。
八犬士随一と自ら名乗っていた親兵衛ですが、
己の驕りに気づいてからの言動はなかなか魅力的です。
それにしても強い。力持ち。美少年。頭脳明晰。
結婚披露宴の新郎みたい。
うぬぼれないほうがおかしい。
それはともかく、
夕刻、疲れてきたので、
ビル・エバンスのCDを、音を小さくしてかけました。
音楽が鳴っていないときより静かと感じます。
ビル・エバンスだからかもしれません。
かつて赤羽でしこたま飲んで、
べろべろに酔ってタクシーに乗ったら、
ビル・エバンスがずっとかかっていたことがありました。
運転手はミュージシャンになりたくて、
秋田から出てきたとのこと。
そのときのことを、ふと思い出しました。
*
写真は、なるちゃん提供。

 修繕の総会乏し春が行く

201104181136500001