紙の辞書

 

 秋寒や若沖の鶏羽ばたけり

岩波書店では、来月20日に「岩波国語辞典第七版」を発売するそうです。
わたしが最初に買った辞書が「岩波国語辞典」でした。
中学一年生のときです。
今は会社に置いてあります。
『トーハン週報』という主に書店員が読む雑誌がありますが、
そこに岩波書店辞典編集部の署名で、面白い記事が載っていました。
タイトル「紙の辞書だからこそ」。
電子辞書やインターネットと比較し、
紙の辞書の良さが縷々力説されています。

①一覧できる。つまり、ひと目でいろいろな項目が目に入る。
目的の言葉だけでなく、周辺の単語が目に入るので、
意外な言葉との出会いや発見がある。それによって、言葉の世界が広がる。
(なるほど。でも、ちょっと苦しい感じ)

②紙の辞書で引くと、記憶の定着度が高い。
(え!? そうなの? だいぶ苦しい感じ)

③紙の辞書には、「紙幅の制限」がある。
分量を気にせず書き込めるインターネット上の辞書と
最も異なる点である。ページ数に限りがあるから、
必然、解説文は簡潔でわかりやすく、要領を得たものになる。(なる!)
そして、新たに収録する言葉も、
なんでも入れるというわけにはいかないため、重要性の高い言葉や、
現代の生活に必要な言葉を吟味し厳選する。
(相当苦しい感じ)

(  )はわたしの感想ですが、この記事を読み、
紙の辞書づくりにかける編集部員の苦労が身につまされました。
紙の辞書ってこんなにいいんだぞ!と、
脂汗を流しながら力説する情熱が伝わってくるではありませんか。

 明日届く机待つ夜の鉦叩

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