符合

 

 掃部山辞書を引き引き花見かな

わたしと同郷の、
通信社勤務のIさんの夢を見ました。
昨日のことです。
Iさんが中学三年生のとき、
短い期間家庭教師をしたことがあり、
そのときの小柄でかわいい印象が今もあるせいか、
夢の中でIさんが的確に取材を進め、
必要なインタビューをする姿を見、
カッコいいなあ、と、ほれぼれしている、
そんな夢でした。
そうしたら、
なんと、
昨日の午後、
被災地の取材のために岩手県を訪れているIさんから、
電話がありました。
夢の話をIさんに言ったら笑っていましたが、
人生はこういうことが時々起きます。
*
写真は、ひかりちゃん提供。

 開国の春を湛へて掃部山

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朝型

 

 新学期立派に見えし四年生

ただいま朝の四時半。
池内先生、お目覚めかな。
池内先生とは、
ドイツ文学者でエッセイストの池内紀さんです。
昨日、
次号春風目録新聞の原稿をいただきました。
そうしたら、
朝型、コーヒー、モーツァルト、体操
(ここがわたしの場合、気功)まで同じであることが分かり、
驚き、かつ嬉しくなりました。
朝の時間を慈しむように、
ユーモアを交えて書いてくださっています。
ゆっくりしたリズムの文体で、
いわゆる“タメ”があり、
ある箇所で爆笑してしまいました。
面白いですよ。お楽しみに!

 赤赤と赤を集めてチューリップ

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八犬伝に源氏!

 

 朝まだき華やかなりし猫の恋

朝読している『南総里見八犬伝』は、
いよいよ第九輯に入りました。
最後の輯とはいうものの、
これが滅法長い。
新潮日本古典集成では十二巻のうち半分がこの輯です。
今読んでいるのは、こんなところ。
義成の娘・浜路姫が妖しい尼僧妙椿の幻術にかかり、
病の床に臥しています。
女房たちが付きっ切りで看病していますが、
仁の玉を持つ犬江親兵衛も義成に命じられ看病に当たり、
隣室で宿直することになりました。
仁の玉は甕に入れ、
浜路姫の部屋の下の土中に埋められました。
長引く看病で手持ち無沙汰になった女房たちは、
女房の一人に源氏物語を読ませ、
聞き入っています。
ここが馬琴先生、上手い!
だって源氏物語ですから、
何やら起こるのでは? と思うじゃないですか。
親兵衛が看病に当たって七日目の夜、
妙椿の幻術にやられた親兵衛は居眠りをしてしまいます。
ちょうどその夜、
なにやら胸騒ぎを覚えた(これも妙椿の幻術による)
義成が姫の部屋に近づいてみると、
居るはずの親兵衛の姿は見えず、
姫の部屋からは男女の睦言が聞こえてきます。
足元を見ると、手紙が落ちています。
拾い上げ文面を読んだ義成の驚きやいかに。
く~っ!
上手い! さすが馬琴先生!
というわけで、
テレビで知っている八犬伝とは大違い。
おもしれーおもしれーの八犬伝なのであります。

 選挙場出でて見上げる桜かな

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元の木阿弥

 

 水道のコック右でも水温む

むしゃくしゃするので、
このままではいけないと思い、
一九七〇年八月、
ワイト島で行われたミュージックフェスティバル
におけるマイルス・デイヴィスのパフォーマンスを、
久しぶりに見ました。
下の写真のDVDです。
いやー、やっぱり凄い!
このところのもやもやした気分が吹っ飛びました。
いっしょに演っている若き日のキース・ジャレットなんて、
もうトランス状態ですね。
この音楽祭、
五日間で延べ六五万人を動員したという歴史的なもので、
ほかに、ザ・フー、ドアーズ、ELP、ムーディー・ブルース、
ジョニ・ミッチェル、ボブ・ディラン、
ジミ・ヘンドリックスなどが参加。
一人三ポンドの入場料で十七万人払えば元が取れるところ、
十万人しか払わず、赤字になったのだとか。
ジョニ・ミッチェルが涙ながらに観客に訴えるシーンからも、
この音楽祭が相当ヤバかったことが伺えます。
そういう中でのマイルス・バンド。
カッコよすぎ。
うん、
これで少しは気が晴れゆっくり眠れるわい、
と思って床に就くや、
グラッ!
え!?
あ~っ。もう!!

 物言わぬこころ何処に花万朶

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豚

 

 後戻りできぬ峠に春の風

夕刻、会社を出、
てくてく紅葉坂を下っていくと、
巨大マンションの工事はまだ続いていて、
臨時の歩道が車道に食み出しています。
指示通り歩いて、
元の歩道に戻ろうとしたら、
豚の鼻発見!
ん!?
これは、写真を撮らなきゃでしょう。
というわけで、きょうの写真です。
ね。
豚の鼻に見えるでしょ。

 気がつけば溜息ばかりの春の宵

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見る目

 

 砂ぼこりカッチ山にも春が来る

知人の記者が二人、
被災地の取材のために岩手県を訪れています。
今はいろんなツールがあり、
現場のナマの写真を見られますが、
ナマであることが真実を伝えるかといえば、
必ずしもそうではないようです。
例えば、
被災地への援助物資が一箇所に積まれた写真を見れば、
どうしてすぐ被災者に配らないのかと、
疑問を持つ人がいても仕方ありません。
怒る人がいるかもしれません。
写真を撮った現地の人がそのようなことを記せば、
なおさらです。
悪意が無くても起こり得ることです。
自分の見たもの、聞いたことが、
どんなふうに伝わっていくかを知る必要があります。
記者としての訓練を受けた人の取材がいかに大事か、
痛感させられます。
*
写真は、ひかりちゃん提供。

 香を焚き睡魔と闘ふ四月かな

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サーチライト

 

 春の海鬱と怒りの吐けどころ

朝起きてから、
歯をみがくのも、
コップ一杯の水を飲むのも、
この日記をつけるのも、
半径五メートルほどを照らすような気分で
暮らしているのですが、
その気分が日に日におかしくなって来そうです。
鍼の先生がおっしゃるように、
丹田が大事なのでしょう。
気功、気功と。
今日は、
『先生、いのちのことを教えて 引き揚げから養護教諭へ』
が出来てきます。
*
写真は、ひかりちゃん提供。

 ひとつひとつ刻むが如く春なれば

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