・風邪なれば甘え桃缶所望せり
知人から連絡があり、
第二子がめでたく産まれたとのこと、
わたしと同じ誕生月。
わたしも早朝でした。
覚えてはいませんが、
母がそう言っていました。
あれから59年、
長かったような短かったような、
今ではすっかり中高年の仲間入りです。
例にたがわず、
古い友だちに会えば話題はもっぱら健康について。
とりたてて口にしなくても、
みなそれぞれ、
年相応にガタがきているようです。
きのうテレビをつけたら、
志村けんの番組に
加藤茶がめずらしくでていました。
さすがの掛け合いで、
茶さん嬉しそう、
でも、
昔の元気は望むべくもなく、
見ていてちょっとつらかった。
少年は老いやすいなぁ。
・柿とろり唇に着く甘さかな 野衾
・ぼた雪や見えぬ螺旋に従ひぬ
右ひざの痛みは全くなくなりましたが、
大事をとって
しばらくビールはお預け。
しかしそうなると飲みたい欲求がふつふつと。
ビールの何がいいと言って、
味もさることながら、
一口目のあの
ノドごし、
ゴクッ…、ゴクッ…、ゴクッ…、クハーッ!!
ゴクッとやり、
つぎのゴクッまでの間が
至福でありまして。
それに代わるものはと探したら、
ありました。
そう、炭酸水。
けっこうな、
いや相当な刺激、
ビールを飲むときのあの感じに近く。
いま気に入っているのが、
ウィルキンソンの炭酸レモン水。
けして強がりでなく、
しばらくはビール無くてよさそう。
・気がかりのひとつありけり冬木立 野衾
・凩や烏を墜とす布(きれ)のごと
まえに紹介した阿部筲人(あべ・しょうじん)
『俳句 四合目からの出発』(講談社学術文庫)
ですが、
こんなのはダメだと阿部さんが考える句が
ふんだんに取り上げられており、
なるほどなるほどで
たいへん参考になります。
わたしの句も
阿部さんに見せたら木端微塵でしょう。
ところで阿部さん、
ダメ句を紹介しているうちに、
だんだん興奮してきて、
ついに恚りまくった。
「【恋愛俳句】明らかに戦後の現象では、
大っぴらに「愛だ・恋だ」とやることです。だがこの点、戦後派はだめです。
サッカリン的観念語で、ゴム風船ほどの内容もありません。
これを聞いて読者の胸が波立つとしたら、何ともいえない浅薄現象です。
近来の歌謡曲の、さかりのついた犬猫のごとき現象に、
俳句作家が毒されてはなりません。
○水仙にある「純愛」よアイシャドウ
何ですか、これは。言葉だけを知っている痴呆俳句です。
アイシャドウを施した化猫(ばけねこ)のような純愛がありますか」
アハハハ…
阿部さん、そうとう恚っている。
書き言葉から話し言葉になってるもん。
痴呆俳句って。
本人が真剣なればこそ、
読んでるこっちは笑えます。
・凩や黒き雲裂き光来る 野衾







