ポンポンポン

 

朝の日課に、官足法に基づくウォークマットⅡのツボ踏みがありまして、
腎臓機能の衰えを防ぐために始めたのですが、
目に見えて効果を発揮したのは、
血圧です。
20mmHgぐらい下がりました。
あくまでも個人的な感想です。
考えてみれば、
ツボ踏みにより、
心臓から最も遠いところを刺激しますから、
血流がスムーズになり、
ポンプの役割を果たす心臓への負担は必然、軽くなるのでしょう。
はじめは、
イボイボの突起がついたプラスチック製の板に乗る
だけで精一杯でしたが、
このごろは窓の外を眺めながら、
鼻唄交じりに推奨されているコースをこなし、
30分ほど踏みつづけています。
習うよりも慣れよ、
は、
ここにも当てはまります。
さてきょうのお話は、
そうやって眺める外の景色についてであります。
わたしが住んでいるこの場所は、
小高い丘の上にあり、
カーテンを開けると丘の下まで広々と季節ごとの景色を楽しむことができます。
次第に明けゆく朝空のもと、
犬を連れた老人が坂道を上ってくるのが見えます。
犬は匂いを嗅ぎながらあっちに寄り、
こっちに寄り。
老人もいっしょに立ち止まります。
散歩を絵に描いたよう。
空には数羽カラスが飛び交い。
そうか。
きょうは、燃えるゴミの日か。
と。
やがて、
白い割烹着姿のおばちゃんが、ゴミの袋を持って、急階段をゆっくり下りてきます。
左手にゴミ袋。
右手は、
階段に備え付けられた手すりをポンポンポンと
リズミカルに叩きながら。
遠目なので表情までは分かりませんが、
その姿がなんとも可愛らしい。
階段を下り切り、
所定の位置にゴミ袋を置いて、
ネットの乱れを直したりなどしてから、
急階段を、下りる時よりもさらにゆっくり上っていきます。
上り切ったら、
そのまま家に入ることもあれば、
崖に面した庭の草を取ることもあり。
割烹着はいいな。
だいたいわたしの朝のツボ踏みも終りに近づきます。

 

・下校時の友の軒にも燕来る  野衾