ことば、言葉、詞

 

万葉集だったり、芭蕉だったり、ディルタイだったり、文語訳聖書だったり、
とりとめのない我が読書ではありますが、
じぶんのことなのに、
他人事めいて恐縮なれど、
赴くところ、
けっきょくは、
ことばって何かな、
ということになりそうです。
万葉歌人たちに、
鬱とした気分を晴らすために歌を詠むことが共通認識としてあった
といわれれば、
なるほどと合点がいき、
ディルタイやシュライアーマッハーが、
宗教とは、
有限のなかに無限をみることだと意味づけていた
と知れば共感し、
独自な漢字研究で名を成した白川静が、
万葉集を読むことがもともとの願いだったと教えられれば、
ますます尊敬の気持ちが強くなります。
『新漢語林』の説明によれば、
詞は、言+司。
音符の司は、
神意を言葉によってうかがい知る祭事をつかさどるの意味。
言は、言葉の意味。
神意をうかがい知るための言葉の意味を表す。
なるほど。
なっとく!

 

・上り来て息つく遥か富士の凍て  野衾