金光寿郎さんを悼む

 

「こころの時代」「宗教の時間」を担当し、
ながくNHKディレクターを務められた金光寿郎(かなみつ としお)さんが
先月十九日に亡くなられました。
インタビュアーとして宗教者に質問しているのを、
なんどかテレビで見たことがありますが、
質問のことばをききながら、
想像するだけですが、
相手の方の周辺をよく勉強されているなと感じたことを
なつかしく思い出します。
その金光さんが新井奥邃に興味関心を持ってくださっており、
ご縁あって
『新井奥邃著作集 第五巻』の月報に
「麓から仰ぐ高い山」というタイトルで文章を書いてくださいました。
奥邃の文章をいくつか引用され、
さいごに
「日本の近代が生んだ偉大な宗教者、
未来の指標となる聳え立つ高山に似た印象を持っている方」
と、奥邃を表現されています。
享年九十二。
ご冥福をお祈りします。

 

・公設の博物館に淑気盈つ  野衾