い、い、

 

行きつけの鍼灸院でのこと。
施術してもらう空間はカーテンで仕切られているだけですから、
先生とほかの患者さんの会話はとうぜん聞こえてきます。
わたしもそうですが、
施術してもらいながら、
痛みやじぶんの体調についていろいろ漏らし、
先生はそれをふんふんと聞きながら、
なだめたりすかしたり、
適宜食事の指導をしたり
運動の指導をしたり。
じぶんのことではありませんが、
となりから聞こえてくる会話がとても参考になります。
天気の状態が乱れると
それに伴って体調を乱すひとが多くなるのだとか。
ことしはとくにその傾向が強いようです。
先日、
高齢の女性と思われるひとが
先生に導かれるまま奥の室に入ったようでした。
間もなく、
このごろの体の不具合について先生にうったえています。
先生はゆっくり、
ここはどうですか?
「痛い・です」
こっちはいかがですか?
「痛い・です」
ここは?
「い、痛い、です」
ここはどうですか?
「い、い、痛い!でございます」
……………
笑ってはいけませんが、
「でございます」がツボにハマり、
悪いと思いつつ
プッと笑ってしまいました。

 

【秋田県井内神社におはします火傷の御神体を参拝して】
・さつきあめ火傷の神の夢見かな  野衾