4000部の壁

 

・いくつもの気づきのありし五月かな

作家の大沢在昌さんが言っています。
初刷り「4000部の壁」があると。
リーマンショック・震災を経、
小説の売れ行きはがた落ちしたそうです。
出版社と同様、
飯のタネですから切実。
たとえば、
定価1260円の本が4000部売れ、
印税として定価の10%が入ってきても、
1260×4000×0.1=504000円。
小説家は、
一冊の小説を仕上げるのに、
どれぐらいの時間をかけているのでしょう。
そのことを考えると、
ごく一部の例外を除き、
従来型の意味で、
作家という職業は、
もはや成り立たないのかもしれません。
仕込み時間の短いものは、
電子書籍が向いているでしょう。
反対に、
仕込み時間の長いものは
紙の本で、
かつ、
定価も高くならざるを得ません。
……………
と、
いったんは考えてみたものの、
ひょっとして、
大沢さん、
実は、
実は、
リーマンショック・震災を経、
そのショックで、
おもしろい
小説が
書けなく
なった、
とか?

・初鰹まだ食わずの青葉かな  野衾