12ポイント

 

・母の日に電話寄こせと父告げり

本を作るのに、
本文の文字の大きさが12ポイントというのは、
ふつうあり得ないだろうと思います。
デカ過ぎますから。
大きくなった新聞の文字も、
10ポイントでしょう。
十数年前、
会社を起こして間もなく
『新井奥邃著作集』の企画を考えたとき、
10ポイント、
11ポイント、
12ポイントそれぞれで
組み見本を作ったことを憶えています。
二人の先生とも相談し、
結局12ポイントにしました。
手に取ってくださった方に、
積んどくでなく、
とにかく読んで欲しかったからです。
齢を重ねた人を
深く底から元気にする本というのは
けして多くないと思うのですが、
奥邃の文章は、
類いまれな元気をくれます。
面白くはありません。
五十五歳は初老でしょうから、
字を大きくしておいて良かったと思います。
奥邃と秋田との関係に触れた拙稿が、
秋田魁新報に掲載されました。
コチラです。

・初めての通帳作りし五月かな  野衾