正しさは

 

 眩しさに惹かれ冬野に迷ひ込む

十二月もあと十日。
だんだん寒くなります。
ときどきボーとして、ハッとします。
寒いのは苦手(暑いのも)ですが、
ヒートテックも身に着けていますが、
寒くなればなるほど、
変な話、
正しくなっていく気がします。
後戻りできないところまで来て、
ふだん考えもしないし、
感じることさえないのですが、
寒さが正しさを、
正しき途をおしえてくれるようです。
たとえば、
新雪を踏み固め、
踏み固め踏み固めしてつくった回り道を行きつ戻りつ、
汗を掻いてそのまま体ごと雪野に倒れ込み、
友のことを忘れ、
母のことを忘れ、
ぼんやり空を眺めていた。
正しさは、そこへ向かっているのです。

 瞑目の裏に人無し枯野かな