目で歩く

 

 まなこ閉じ凩を待つ月初め

本を読むのは旅に似ていると思います。
どういうところがといえば、
疲れ方が。
インドを旅した。
原稿も一冊の本も、ゆっくり、ゆっくり、
目で文字を追う、
というよりも、
目で文字をふみ、
文字づたいに歩いていきます。
そうすると、いつの間にか、
遠くまで来ていることに気づきます。
意味はまだ分かりません。
それも旅に似ています。

 凩や悲しき母の佇めり