紙の本

 

 カフカ置き外へ出でしが秋の宵

本を紙でなくディスプレイで読むのが
普通になりつつありますが、世の趨勢ですから、
それはそれとして、弊社としては、
料理を盛るのに手びねりの器でするのをイメージし、
美味しい文字たちを見、触れ、読むのに、
これからも紙にこだわって行きたいと思います。
そんな気持ちで、
次号「春風目録新聞」の特集のテーマを「紙の本」にしました。
今回新たに、詩人の長田弘さんに詩を、
資生堂名誉会長の福原義春さんにエッセイをお願いしたところ、
お二方とも快諾してくださいました。
福原さんから昨日原稿が届きました。
「本の香り」がそのタイトルです。
福原さんは経済界随一の読書家として夙に有名で、
福原さんの近著『だから人は本を読む』がスコブル面白く
共感と感銘をもって読んだばかりでしたから、
こんなにうれしいことはありません。

 仲秋や飯(いひ)炊く祖母の割烹着

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