ポテトサラダ

 することも無し籠り雪見酒
 このごろジャガイモをよく食べる。玄米粉クリームを常食にした頃から、素材の味を楽しむようになったのか、とくにジャガイモがうめ〜な〜と思う。
 週に二度三度と足を運ぶカレー屋で野菜カレーを頼む大きな要因は、ジャガイモの素朴な甘味を楽しみたいからだ。そして何よりも、1日のフィナーレに相応しいのがポテトサラダ、187円、フジスーパー。
 スーパーの中でおばさんたちが手作りしているもので、変に凝った味付けをしていないのがいい。
 正月、秋田に帰ったとき、母が作ってくれたポテトサラダを食べたら、すごく甘かったので、思わず「砂糖を入れたろう! 砂糖をこんなに入れたら体に悪いだろう!」と言ったら、「グラニュー糖だから大丈夫!」と、母は分けのわからないことを言った。
 それはともかく、ジャガイモ。おでんに入っているジャガイモも美味い。玄米とジャガイモと豆腐と塩と水は欠かせない。

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編集者冥利

 ベランダを猫行く遥か雪化粧
 昨年10月、小社の目録「学問人」とPR誌「春風倶楽部」を合体させ「春風目録新聞」を発刊し、今、その第2号を準備している。
 今回のテーマは「今って、どんな時代!?」
 言葉はもともと、モノやモノゴトに触れ、それを名指すことから始まっているのに、いつしかモノやモノゴトとの生々しい関係が失われ、なんのための言葉かわけがわからなくなっている、気がする。言葉本来のありようを考えるために、「今を生きる詩・短歌・俳句」のコーナーを設けることにした。
 昨日、アタマをプチプチ言わせて校正校閲にかかっていたのだが、最早にっちもさっちもいかなくなり、ふらりと立ち上がり、エレベーターで下に降りた。何気なく郵便受けを見ると、ビニールの袋に詰められた見たくもないDMが2、3通。その下に葉書が2枚ひっそりと隠れていた。1枚は女優の冨士眞奈美さんから。1枚は詩人・俳人の加藤郁乎さんから。お二人とも執筆「諾」。やったー!!
 加藤さんのは、敬愛する飯島耕一さんが「最後の江戸人」とよぶに相応しい字体と文で、バッ!と視野が広がるようだし、冨士さんのは、ラブレターのようにこころに染みた。
 お二人の葉書で1日が救われたような気がした。
「春風目録新聞」第2号、面白くなるぞー!!

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人相

 寂しさや夢に降りしく昼の雪
 五木寛之と帯津良一の『健康問答』のなかに面白い話が出ていた。
 帯津さんは埼玉県川越市にある帯津三敬病院の院長で、西洋医学はもちろんだが、代替医療、民間療法を積極的に取り入れているという。
 たとえば、鍼灸を受けたい、サプリメントを飲みたいという患者がいて、相談されるらしい。どういうことに気をつければいいのでしょうか…。帯津さんは、鍼灸の先生の人相を見なさいと言うらしい。サプリメントも、あまり高価なものはダメ、また、それを売る営業マンの人相をよく見なさいと。
 東大を出て、西洋医学をきちんと修めた医学者が、真面目に、人相で判断しなさいというのはなんだか愉快。
 帯津さんの人気は、ひとつのことに縛られない、こういう柔軟さ、自由さにあるのかもしれない。

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6時半

 霜柱ザクザク踏みし男あり
 わたしの起床時刻でありまして。目覚ましの音楽は、ケータイにダウンロードしたジョージ・ベンソンのギブ・ミー・ザ・ナイト。朝なのに、ナイト。
 休日、30分遅らせて7時に起きていい時の目覚まし音はサラ・マクラクランのエンジェル。ほかに、5時半、6時、7時半のも、それぞれに起床音楽がある。
 起きたら、まずは乾布摩擦、ダンベル体操。この季節、7時ちょっとまえに鎌倉街道を挟んで向いの丘の上に朝日が昇る。なんとも清清しい。
 さて次は、STEVEN HALPERNのCHAKRA SUITEをボリュームを抑え気味にかけ、それに合わせて築基功。きのう入手したばかりの京都・彩巴亭のオリジナルのお香を薫いて。
 この日記も含め、プライベートな朝の儀式です。
 霜柱踏みつけ邪悪がもたげたり

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20万アクセス

 手袋でメール打つ手のあつさかな
 小社ホームページへのアクセス数が、おかげさまで20万を超えました。これもひとえに日頃の皆様のご愛顧の賜物と喜んでおります。今後、30万、40万、100万アクセス目指して、さらにバージョンアップしていきたいと考えております。
 思い返せば8年前、会社を立ち上げて2年目だったと思うが、横浜国大の学生でアルバイトに来ていたS君が小社初のホームページを作ってくれた。うれしかったあ。新婚夫婦念願の夢がかなって小さなお店を出したような気分、とでも言ったらいいでしょうか。ちらちらちらちらクリックし、閉じてはまたクリックし、ひと来ねーなー、なんだよ、つまんねーなー、ん! お! 3人見に来てくれたぞ!! やったー!! すばらしい!! と思ったら、なんのことはない、社内の人間が他のパソコンで覗いていたことが分かってがっかりしたり。そんなことがなつかしく思い出されます。
 この間、すっかりパソコンが普及し、インターネットの時代となり、今やパソコンなしの生活は考えられなくなりました。本の本たるゆえんがますます問われています。
 ホームページを充実させることはもちろんですが、言葉とモノ・ひととのリアルな関係性をさらに追及していかなければと考えています。
 ザクザクと踏みつけたきは霜柱

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もやもや感

 霜柱うすむらさきに匂ひけり
 年2回発行することになっている春風目録新聞のための原稿依頼の手紙を書いた。大げさに言えば、(大げさでもないのだが)ひと月ほど前から、どんな角度からどんな文面でどんなふうにお願いしようかと、自分の中でそのことを考え、もやもやした気分を醸成させている。
 たびたび思い、考える。結論の出ぬまま何度でも。あまり生産性のない所作ではあるけれど、絶対に欠かすことのできない時間だと自分では思っている。アタマで文章を書いてはいけない。
 もやもやがようやく発酵してきたとなったら机に向かうが、もやもやっとした感じが失われぬようにまず書いて、ははあ、こんなふうにもやもやしながら、こんなことを感じ分けていたのかと、もやもやの輪郭が次第に見えてくる。ここで急くと、またアタマでっかちな文章になる。落ち着きのない子供が遊ぶように、動物園の白熊が右往左往するように、机上の文書を手に取ったり眺めたり、引き出しを開けたり閉めたりしながら、でも忘れずに、また件の文章に戻って、もやもやの落ち着くところを探る。
 きのうは3通書けた。

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1年物ワイン―練功365日

 テロリスト我が家を襲ふ春の夢
 朱剛先生の禅密気功に出合い、教室に通い、自宅で始めるようになって1年が過ぎた。この間、インフルエンザはもちろん、風邪も引かず、肩や腰の調子、内臓の具合もよく、継続することの大切さを身に染みて感じている。今は、気功で始まり気功で終わる1日がうれしい。
 先日、作家の五木寛之と医者の帯津良一の『健康問答 2』を読んでいたら、こんな話が出ていた。
 帯津さんが上海市気功研究所に行ったとき、感動的な動きをする人がいて何年やっているんですかと尋ねたら、40年と答えたそうだ。ところが、近頃、帯津さんはさらにすごい太極拳の名手に出会った。どこがすごいかと言うと、説明できないくらいにすごい!! 宇宙と体が完全に一体化しているような動きをしているものだから、帯津さんが、40年やっているんですか? と尋ねたら、いや、50年やっていると。帯津さんは次のように結んでいる。
「いや、ほんとに、すごいんですね。気功というのは、武術やスポーツとちがって、才能のちがいなんかないんです。また、努力してやればいいってもんでもないんですね。なんというか、ウイスキーを寝かせるのと同じなんですね。やっぱり時間をかけないと。」
 朱剛先生のあの流麗な動きをすぐに思い出した。先生も何十年やってこられて、溜め息の出るような美しい動きを体得された。揺らす、でなく、揺れる。一朝一夕にできるものではないのだろう。
 わたしのは、まだ1年物のワイン。気功をできる日を楽しみつつ、徐々に熟成させていきたい。

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