手帳バンド

 

 梟の瞬きの間の二千年

手帳の使い方は、
人それぞれでしょうが、
このごろ手帳に紙を挟むことが多くなり、
そうすると、
かばんの中で落ちてしまうこともあって、
輪ゴムで留めたりしていたのですが、
いかにも貧乏臭く、
家人に何かないかと話したら、
職場の近くの文房具店で見つけたとかで、
手帳バンドなるものを買ってきました。
太くて見栄えが好く、
バシッと押えが利くのでなかなかの優れもの。
これなら貧乏臭くないでしょう。
日用品の小道具で気に入ったのがあると、
うれしくなります。
そういえば、
祖母の手首にはいつも輪ゴムが数本留めてありました。
いつもしているので、
輪ゴムの痕が手首にくっきりと残っていました。
ところで、
祖母が手首から輪ゴムを取って使った場面を記憶していません。

 しもやけの夜を祭りしゴロスケホー

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朝のコーヒー

 

 藪払ひ藪払ひして年の暮れ

朝起きたら、健康のために、
まず六〇〇ccの水を飲むことを習慣にしていましたが、
それを止めコーヒーに換えました。
水を飲むことの効用の一つに
便通の促しがあったわけですが、
コーヒーにもそれがあることを体で知ったからです。
一日二食健康法の考え方では、
朝食を抜いて胃腸を休ませますが、
便通を促すためには何らかの刺激が必要です。
一日二食健康法に限らず、
健康法にはそれぞれいいところがあり、
提唱者の並々ならぬ思いの丈が籠められているようですが、
自分に都合のいいように解釈し改変して行っています。
それでいいのだ。

 精神のねぐらに雪の降りしきる

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冬の蝶

 

 チリチリと砦賑はふ雪合戦

めっきり寒くなりました。
気のせいか、
いつも上り下りする階段が、
このごろ硬く滑りやすくなっているように見えます。
凍っているわけではないと思いますが、
寒さのせいで、そんな風に見えるのでしょう。
体を縮めてゆっくり階段を下りてゆきます。
すると、
ひらと紙切れのようなものが風に揺れたように思いました。
近づいてみたら蝶です。
モンシロチョウにも見えますが、
少し黄色くなっています。
幸福の王子の金箔を届けて南へ行きそびれた燕のように、
死者の魂を届けて
こんな季節まで生き延びてしまったのでしょうか。
指でそっと触れてみましたが、
そよとも言いません。
上から人が下りてきましたし、
わたしはそこを離れ会社に向かいました。
あの蝶どうしたでしょう。

 精神の砦に雪の降り止まず

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イエス、ロックンロール!

 

 プチプチと嫌悪し歩く道寒し

神奈川新聞の人気コーナー「自転車記者が行く」の
佐藤将人さんが、ついに我が社にやってまいりました。
立派な体格。精悍な面構え。明るい笑顔。
椎名誠さん、沢木耕太郎さんのファンで、
スポーツライターになりたかったのだとか。
自転車記者だけあって、
左のズボンの裾を捲り上げています。
現在我が社では、
朝日新聞、秋田魁新報、神奈川新聞を取っていて、
出社後一番に三紙を読みますが、
なかでも神奈川新聞の「自転車記者が行く」は、
週一ぐらいの掲載頻度で待ち遠しく、
朝のあわただしい時間の中、
あればついじっくり読んでしまいます。
誰が誰に向かい、
どういう思いで綴った文章であるかが分かって、
気持ちいい。
今回、春風社について佐藤さんが書いてくれた記事がこれ。
ありがとうございました。

 一年に一度風邪ひき歪み知る

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書評ありがたし!

 

 疲れ果て宙ぶらりんの冬の空

装丁家の桂川潤さんが『父のふるさと 秋田往来』を
ご自身のブログで書評してくださいました。
『父のふるさと~』に序詩を書いてくださった
佐々木幹郎さんから教えていただきました。
さっそくチェック。再読、三読。
心をこめてつくり送り出した本について、
深く意を汲んでくださり、
ありがたいの一言です。
さっそく桂川さんに電話し、お礼を述べ、
しばらく活字や装丁について話をしました。
桂川さんには『本は物である 装丁という仕事』
という近著がありますが、
本づくりに携わる者、本を内容とあわせ慈しむ人を
深く励ましてくれる、実に美しい本です。
手に取るたび、がんばろうという気になります。
ありがとうございました。

 絵文字にて秋田吹雪とメールあり

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冬は小数点

 

 千成や忘年会の鍋つつく

10、9、8、7、……
寒くなると、ふとんが恋しく、
朝、起きるのが億劫(おっくう)になります。
あと10数えたら起きようと決心し、
10、9、8と、ゆっくりゆっくり数えても、
残酷にもやがて0がやってきて、
起きる羽目になってしまいます。
ところが。
小数点という画期的なものを学校で習い、
朝の風景ががらりと変ります。
始まりは同じ。
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、
むふふふふ。
つぎに0が来ると起きなければなりませんが、
小数点を習うことによって、
3、2、1、0.9、0.8、0.7、……
あはははは。画期的!
0.3、0.2、0.1、やばい! 0が来るー!!
だいじょうぶ!
0.09、0.08、0.07、……
限りなく0に近づきますが、
永久に0は来ません。
0.01が来たら、また0.009とやればいいんですから。
と。
「いづまで寝でるの! はえぐ起ぎれ!」
0は来ませんが、
母の声が飛んできます。

 忘年会空中ブランコ忘年会

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ラジオ取材

 

 赤羽や停留所に落つ冬の雨

秋田放送ラジオ制作部のディレクター
利部(かがぶ)さんとJR赤羽駅で待ち合わせ、
そこから板橋にある内外文字印刷さんへ。
利部さんは、
今月五日に掲載された秋田魁新報の記事を読み、
拙著『父のふるさと秋田往来』と活版印刷を
放送で取り上げたいとのことで、
取材してくださいました。
内外文字印刷の小林社長へのインタビューから始まり、
活版印刷機、活字鋳造機の音の収録、
わたしへのインタビューと利部さんお一人でこなし、
終ったのは夕方五時を回っていました。
雨を避けバスを待つ間、
映像化の話まで出て、嬉しいやら驚くやら。
決まった話ではありませんが、
そういうアイディアまで思い浮かべ、
考えてくださったことをありがたく思いました。
ラジオでの放送は、
今月二十三日と年明け一月五日予定だそうです。

 十二月秋田の人と語りけり

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