よしもと若手お笑い芸人

 辣韮をガリリと齧る辛さかな
秋田の後輩で日本生命に勤めている友人から、
チケットをいただき、
渡辺直美、麒麟、ハイキング・ウォーキング、COWCOWなど、
よしもとのお笑い芸人六組のネタを堪能してきました。
12時半開演、11時半から指定席券との交換だったのですが、
スタッフが気を利かし、11時から交換を始めてくれたので、
そんなに並ばなくても、始まるまでゆっくり食事もでき、
言うことなし。席も四列目で、これまた言うことなし。
いっしょに行ったひかりなちゃんたちも満足げ。
ひかりなちゃんはとくに麒麟が面白かったようですが、
わたしは、和製ビヨンセ渡辺直美の体を張った踊りに
魅了されました。
アニメキャラがそのまま登場したみたいで、
彼女が踊っていた10分ほど、ずっと笑いっぱなし。
梅雨のじめっとした気分もいっとき晴れました。
遠藤君、ありがとう!
おかげで、楽しいひと時を過ごすことができました。
 手を合はす人無し梅雨の道祖神

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集中集中

 辣韮を喰らひ欲情擡げたり
木曜日七時からは、横浜気功教室です。
横浜駅西口から歩いて徒歩五分ほどのところにある
神奈川県民センターが会場です。
四基のうち二基が修理中のため、
(修理と称してビニールシートを被せてから早一ヶ月以上)
エレベーター前は、
センター利用者でいつもごった返しています。
暑いなー。
エレベーターがようやく到着し、ドアが開くと、
待っていた群衆がどやどやと箱の中に入り込みます。
「間もなく満員になります」
そんなこと言われなくても分かっている
余計なアナウンスを、このエレベーターは発します。
なんだかとってもイライラします。
「間もなく到着します」
どこに到着するんだよ。
「七階です」
「間もなく七階に到着します」でいいところを、
いちいち、
「間もなく到着します」でひと呼吸置いてから、
「七階です」とくる。
本当にイライラするエレベーターです。
十五階で降り、指定の教室に入ると、ムッ!
梅雨のこの時期、クーラー無しはつらい!
体の中の意念に集中しようにも、
汗が吹き出し、それどころではありません。
つらい修行がもうしばらく続きます。
 梅雨の夜眼下高速賑へり

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パーティーは愉し

 牛舎前ソフトクリームねじ巻けり
弊社十周年パーティーの際に、
カメラマンの橋本さんが写真を撮ってくれましたが、
記念のアルバムはそのままとして、
お越しいただいた方の写真を焼き増しし、
わたしの担当分の写真は昨日ですべて、
それぞれの方へ手紙を添え送りました。
改めて写真を見たのですが、
みなさん、本当によく笑っていらっしゃいます。
実も蓋もない言い方ですが、
パーティーって、いいもんだなあと思いました。
温泉につかったみたいに、
毛穴が開いてさっぱりもしました。
風の具合が感じられます。
いろんなお蔭様の相乗効果があったのでしょう。
これからは、本が出るたび著者をお呼びし、
出版記念パーティーをやろうか、
なんて思ったぐらいです。
月平均にして二、三冊出していますから、
それだけパーティーをやるとなると、
それはそれで大変そうですが、
いろいろ勉強させてもらえるし、
今後の展開を大きく指し示してくれそうです。
いろいろアイディアが浮かんできました。
橋本カメラマンの「出版社は港町だ」
の言葉を思い出しました。
 猥褻也鬆展放収梅雨晴間

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話しかけられる4

 只管に辣韮ガリガリ食ひたき日
あれは二十数年前、
上り京浜急行線の電車内のことでした。
「あのー」
「はい」(停まる駅を尋ねられるのかと思って軽めに)
「つかぬことをお尋ねしますが」
「はあ」(やや不審に思いながら)
「むかし川崎で」
「はい」(相当不審に思いながら)
「トランペットを吹いていませんでしたか」
「は?」
「トランペットを吹いていませんでしたか」
「いいえ。吹いていません」
「いや。吹いていましたよ。ジャズ喫茶で」
「いや、吹いてませんて」
「いや、そんなことはないでしょう。吹いていたはずですよ」
「いや、わたしが言うんだから間違いありません。ジャズは好きだし、中学ではブラバンをやってましたよ。でも、トランペットを吹いていた先輩のくちびるを見て、トランペットだけはやるまいと思ってユーフォニウムにしたぐらいですから」
「……」
「残念ですけど、そういうわけです」
「そうですか。間違いないと思ったんですけどね。そうですか。失礼しました」
「いえ、どういたしまして。間違いは誰にでもあります。それにジャズのトランペット奏者と間違えられて悪い気はしませんから。むしろ感謝したいぐらいです」
「いえ、失礼しました」
「気になさらないでください。では。どうも」
 辣韮の激臭我れを粉砕す

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3センチ

 卸し金最後の一かけ夏大根
ズボンの丈が自分の脚より3センチ長いと
引きずりますね。
サラリーマン時代に買った、いい生地のズボンが
押入れから出てきたので、
ちょうど今頃の季節に合ったものだし、
と思ってやおら穿いて出社したのですが、
階段を上り下りするたびにズボンの裾が
靴のかかとに引っかかってイライラしてしょうがない。
帰りの電車を降りて階段を下りる場面では、
なりふり構わず、
ズボンの脇を両手でたくし上げました。
自分の脚を少しでも長く見せようと、
裾上げを頼むときに見栄を張ったのでしょう。
若かったんですね。
50を過ぎたら恰好よりも機能性です。
機能に見合う恰好といったらいいでしょうか。
 だまっこに添へて楽しも夏大根

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ニンニク醤油

 ニンニクを剥きて白さの輝けり
三月ほど前につくったニンニク醤油が
減ってきたので、
青森県産の新ニンニクを買ってきて、皮を剥き、
追加の醤油といっしょに瓶に投入。
採れたて新ニンニクというのは初めてです。
普通スーパーで売っているのは、
あれは乾かしたものなんでしょうね。
乾かしたほうがエキスが充満し、
ニンニク本来の味が濃厚になるのでしょうか。
でも、物は試しで新ニンニクを使ってみました。
大学時代からの友人が先日奥さん同伴で遊びに来ましたが、
奥さん言うことに、彼の家では十数年、
注ぎ足し注ぎ足しして使っているとか。
そうなるともはや、
秘伝のニンニク醤油ということになりそうです。
 ニンニクの剥き身睾丸つるりかな

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田所康雄の風

 辣韮を漬けて一日終りけり
NHK・BS2で放送された
「渥見清の寅さん勤続25年」の録画DVDを
貸してくださる方がいて、
きのう、さっそく見てみた。
シリーズ「男はつらいよ」は48作品あるが、
第47作にあわせ、収録風景や渥見清の
インタビューが撮られている。
体調がすぐれなかった頃のインタビューで、
顔色衰え、声にも力がなかったが、
そこから垣間見えるものは、
役者・渥見清というよりも
本名・田所康雄さんの素顔とでもいったものであった。
上野界隈で生まれた田所さんは、たまにふらっと
生まれ故郷に帰ってみることがあったという。
そのときの印象を、
「ポカーンと虫歯の穴のように開いていて」
と表現していた。
「歯が抜けたように」ではない。「虫歯の穴のように」。
また、「男はつらいよ」以外の映画で、
アフリカに長く滞在した折に
収録されたインタビュー(若い!)では
アフリカの風の印象を、
「どっかのマンションに当たって、ガソリンスタンドの脇を通ってきたっていうような風じゃなんだな。なんていうのか、地球に当たる前からどっかから吹いてきたっていうね」
昨年から今年にかけて
「男はつらいよ」をDVDでずっと見てきたけれど、
昨日「渥見清の寅さん勤続25年」を見、
渥見清の地にある田所康雄さんを吹き抜ける
虚無の風に惹かれてのことだったかと思わされた。
温かい人情とは真逆の、あるいは、
その底を吹き抜ける風は決して生温かくはない。
渥見清は晩年、放浪の俳人・尾崎放哉を演じたかったという。
 擂りおろし汁を啜るや夏大根

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