おてんとさまは

 サンバの夏たがいちがいの足白し

女優の冨士眞奈美さんが、『明日の友』今月発売号に
「ルーマニア王妃が遺した名作」と題し、
『わしといたずらキルディーン』をご紹介くださった。
こころのこもった文章で、何度も読み返した。
「おてんとさまはあんたのためだけじゃなくて、
わたしのためにも光ってるんだ」という
ポプリおばあさんの台詞を冨士さんは引用されているが、
もし、この本が舞台に上ることがあるとして、
また冨士さんがポプリおばあさん役になるとして、
どんなふうに話すのかなと想像し一人悦に入った。

 きゃっきゃ夏サンバの夜の更けりゆく

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髭剃り男

 ベランダの蚊取り線香たなびけり

昨日のことです。
JR桜木町駅で電車を降り、Bubby’s横浜の横を通って
紅葉坂の交差点に向かいました。
いつものコースです。
広々と空が見えて好きだったのですが、
このごろ巨大なビルを建設中で、
窮屈な感じになってしまいました。
それはともかく、
交差点で信号を待ち、青に変わって歩き出すと、
向かい側から歩いてくる四十代半ばぐらいでしょうか、
ズボンを思いっきり腹の辺りまで吊り上げ、
その分裾丈が短く感じられる色白の男性が、
左手に鞄を持ち、
右手でシェーバーを髭面にあてています。
すれ違うとき、かすかにジリジリと音がしました。
交差点を渡りきり、
振り向いてさっきの男を眼で追うと、
男は、まだシェーバーを顔にあてています。
相当ズボンを上に上げているため、
お尻の山がくっきり二つに割れて見えます。
歩きながら髭を剃る人を
今まで何人か見たことがありますが、
ズボンをあそこまで吊り上げている髭剃り男は
初めてでした。

 花火大会高級ホテルの影二つ

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人から本へ

 一瞬の花火ちかちかサンバかな

じゃじゃーん、ホームページがリニューアルされました。
多聞ちゃん、おかぴー、ありがとう。お疲れさま。
このホームページ、本当に待っていました。
大げさに言えば、創業当初からの望みだったといっても
過言ではありません。
初めてホームページを作ったとき、
出版社というのは、イメージ的に、
なんとなく敷居が高いから、
こんな人たちで本をつくっています、
こんな友人知人がいますということを前面に出しました。
つくった本の数が少なかったですし、
等身大のわたしたちを見てもらうしかありませんでしたから。
本の数が増え、中身と中身に相応しい装丁を
褒めていただけるようになり、
人は少し後ろに退いて、
本そのものを見ていただきたいと思うようになりました。
それが今度のホームページの肝です。
多聞君がそこのところを十分に汲み取ってくれ、
素敵なホームページを作ってくれました。
美味しい手料理を盛る手びねりの器
を今後も造り続けたいと思っています。
ホームページともども、
春風社をこれからもよろしくお願いします。

 てけてけのサンバでドンバ夏祭り

カニ

リニューアル!

 花火見てサンバで弾けるりなぴかな

この日記、一日の始まりとして、
ふだんは自宅で入力しHPにアップするのが
習いなのですが、
待ちに待った五度目のHPリニューアルの日ですので、
今日だけ例外的に出社してからのアップになります。
入力している今の時点で、
この日記のデザインがどういうものか、まだ知りません。
(トップページを始め、いくつかの頁は見ています)
我らが多聞君のことですから、
きっとステキな仕上がりになっているでしょう。
デザインに恥じぬよう、
たのしく読んでいただける、
また春風社の日常が分かる日記を綴りたいと思います。
これからもどうぞよろしく。

 サンバ夜やネズミ花火に火が点けり

明けたの?

 竹林の揺れて緑の深まれり

今日で七月も終わり、
本格的な夏到来と行きたいところですが、
横浜は曇り時々雨の予報。
梅雨がずっと続いているような感じです。
これでは体もおかしくなりますよね。
こういう時こそ気功をやって、
気と血の巡りを良くしましょう。
背骨ゆらゆら健康法』が参考になりますよ。

 かなかなの止みて常世の日暮れかな

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文章

 酒の香に誘い込まるる藪蚊か

この日記、二〇〇一年三月から始まりましたので、
九年目に入りました。
それでなんですが、たまに必要があって、
むかしの文章を読むと、
恥ずかしくなることしばしばです。
なんというか、分別のつかない洟垂れの悪ガキが
とにかくはしゃぎ回っているような具合です。
そんなにはしゃいでいると、怪我するよと、
若い自分に言い聞かせてやりたくなります。
いま、わたしは時間のこちら側から見ているので、
それがよく分かります。
あちら側からは見えなかったのですね。
そのまま進んで、骨を折ってしまいました。
さて、このごろの文章はどちらを向いているのか。
これも時間が経ち、振り返れば、
なるほどこの方向を向いていたのかとなるのでしょう。

 海水浴気持ちいいのは足湯かな

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 ゴキブリが空き缶ぺろぺろ舐めてをり

このごろ思うのは、
汗がレモン水ならなぁということ。
ソーダ水でもいいか。
そうすれば、のどが渇いたときなど、
ぺろっと舐めて渇きを遣り過ごし、
しばらく持たせられそうですし…。
汗って、掻きはじめはいいのですが、
あとで蝿取り紙のあのいや〜な粘りの感触に
似てきます。
蝿が少なくなって、
蝿取り紙も見なくなりましたが、
子どもの頃、はしゃぎ回っているうちに、
首の辺りに蝿取り紙がべた〜とくっつくと、
なんとも言えず気持ち悪くなったものです。
汗の感触はアレを思い出させます。

 触覚が手旗信号ゴキブリ君

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