中学一年のときの授業。理科。理科は理科教室で受けることになっていました。
担当は斎藤先生。教頭先生でもありました。
天体のことについて。
太陽の光は、どのように地球にとどくか、それを黒板に描いて示せ。
ということで、
なんにんか先生に指名されたか、挙手したか、
黒板の片側に地球をまるく描き、
反対側に太陽をまるく描き、太陽から発した光線を放射状に描いた。
そのあとTくんが手をあげたか、呼び出されたかして、
まえのほうへ歩いて行き、
おもむろに黒板に図を描いた。
地球をまるく描くところまではほかの生徒といっしょだったが、
太陽をまるくでなく、黒板の上を下をむすぶ、ほとんど直線のようなゆるい弧を描いた。
あっ! と思いました。
Tくんの考えていることがわたしにもピンときた。
太陽の圧倒的な大きさをTくんはそのように表現したのです。
すげ~。なるほどなぁ。太陽の大きさを考えたら、そういうふうにしか描けないよなぁ。
Tくん、えらい!
そうして、Tくんは、
太陽から発せられる光の線を、放射状でなく、平行に記した。
なるほど、そうなるか。
光線が平行に来ても、地軸が傾いているし、
まるい地表に光が当たるとき、場所によって角度が変るから、
光線の強いところと弱いところが生じるだろう。
Tくんの無言の図示を見、当時、そんなことを考えたっけ。
T君の発想のすばらしさを、斎藤先生、絶賛しましたが、とうぜんと思いました。
・夏休み汽車で叔母さんの家まで 野衾

