『俺節』

 

秋田県平鹿郡大森町出身・土田世紀のマンガ『俺節』
演歌歌手を目指す青森県出身の青年が主人公。
マンガが好きな人はとっくに知っているかもしれませんが、
『俺節』も土田世紀も、
わたしはつい最近まで知りませんでした。
「泥臭い」と評されることが多い
ようですが、
こういうマンガ家がふるさと秋田から出たことを誇らしく思える、
すばらしいマンガでした。
中に、
北島三郎をほうふつとさせる
北野波平という人物が
だいじな役どころとして登場します。
コミックの題字「俺節」は、
北島三郎本人によるもの。
わたしはもともと昭和の演歌が好きですけれど、
このマンガを読むと、
ますます演歌が好きになり、
またこのマンガは、
演歌をとおして、
他ジャンルの歌のこころにも目が向くような気がする、
そういう普遍的な世界を描く傑作
であると思いました。
おススメです。

 

・いまはただ箪笥の底の手套かな  野衾