自画像は!?

 

ジョルジョ・アガンベンの『書斎の自画像』を
おもしろく読んだことが影響しているかもしれません。
自画像。じがぞう。
いま読んでいる『レンブラントの目』のなかで、
レンブラントが、
若いころからたびたび自画像を描いていた
ことに著者のサイモン・シャーマは触れています。
わたしはといえば。
小学校・中学校で描かされた以外、絵を描いたことがありませんし、
ましてじぶんを描いたことなどありません。
自画像について考えをめぐらすこともしてきませんでした。
自画像。
想像するだけですが、
不思議な気がします。
鏡を見ながら描いているのか?
と思いきや、
そういうことでもなく。
鏡を見ながら描く人がいてもいいわけですが。
だいたい鏡は、
右と左が逆になりますから、
それはたとえていえば、
西から上って東へ沈むお日様を描くようなもの(かな?)
真のじぶんの姿を現実に見ることは、
どんな天才でも叶いません。
レンブラントは、
いろいろな姿の自画像を描いています。
乞食姿の自画像まで。
見ることが叶わぬじぶんを描くという行為に、どんな意味があるのでしょう。
すぐに答えは見つかりそうもありませんけれど、
洋の東西を問わず、
画家が自身をどう描いてきたのか、
興味が湧いてきました。
自画像に関する本が何冊かでているようです。

 

・昼下がり現れ消えぬ冬の蝶  野衾