生きるためのセカイカン

 

子どものころ本を読まなかったニンゲンが、
あるとき本の魅力に取りつかれ、
仲間と出版社を起こし、
いまは、生業として学術書をつくっている。
前にいた出版社での時間と合わせ、
学術書を三十年間つくり続けたことを通して、
学術書の魅力がこのごろ少しわかってきた気がします。
そう思っていた矢先、
親しくしている
京都大学学術出版会の専務理事で編集長の鈴木哲也さんが、
『学術書を読む』という、
弊社にとっても、わたし個人にとっても指針となる
きわめて刺激的な本を出版されました。
その書評を、
図書新聞に書きましたので、
ご覧いただければ幸い。
コチラです。
本文にも書きましたが、
一冊、また一冊の学術書を読む、作るということは、
わたしにとりまして、
1個1個石を拾い集め、
果てしない「理想宮」を築いたフランスの郵便配達人
フェルディナン・シュヴァルの営みに近いかもしれません。
きょうも、担当する本をつくり続けます。

 

・歌聴けば悲しさ恋し灯の恋し  野衾