東京大学出版会が発行しているPR誌『UP』8月号に、
おもしろい記事が載っていました。
Kというイニシャルがありますから、
東京大学出版会の編集者だろうと思われます。
記事のタイトルは、
「対面で議論することの清々しさ」
久しぶりの研究会だったそうですが、
主催者の尽力によって、
参加者の間の距離をとり、それぞれの前にアクリル板を設置、
会場も、
参加人数に比して大きな場所を使用するという万全の態勢がとられたのだとか。
Kさんは、
そのときの様子と感想を次のように記しています。
研究会での参加者の方々のやり取りを聴いて、そして観ていて、
対面での議論はオンラインと比べ、
こんなにも情報量が多く、
しかし疲労度は小さいものなのだ、
ということを改めて実感した。
議論されている時の声のトーン、リズム、顔の表情、
そして発言されていない方々の姿勢、
さまざまな反応、同時に笑いがおこる時のスムーズさ等々、
オンラインの時にも同じようなことが起こっているはずなのに感じ取りにくいこと
の数々を身体全体で受けとめることはこんなに興奮する
ことだったのかと、
実に楽しい気分で二日間を過ごした。
この文章を目にしたとき、
2009年に亡くなられた演出家の竹内敏晴さんのことを思い出しました。
竹内さんは生涯「直(じか)」にこだわりました。
「直(じか)」がいかに人間を生き生きさせ、
直(じか)によって人は生きる、
竹内さんは、
そのことを演劇を通して証したのだと思います。
・その頃を思い出してる曝書かな 野衾